『レナードの朝』のキャスト・あらすじ・見どころ・感想

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今回は1990年に公開された映画『レナードの朝』をご紹介します。

この作品は、医師・オリバー・サックスの著書(実話)を基に作成されたフィクション映画です。

アカデミー賞でも3部門にノミネートされましたが、残念ながらどの部門でも受賞はならずというこの作品。

しかしながら視聴した人たちの評価は高く、「泣けた」、「レナードの笑顔が良かった」と、感動コメントが多い作品です。

 

『レナードの朝』のキャスト

 

レナード・ロウ   : ロバート・デ・ニーロ

マルコム・セイヤー : ロビン・ウィリアムズ

エレノア・コステロ : ジュリ―・カブナー

ロウ夫人      : ルース・ネルソン

ポーラ       : ペネロープ・アン・ミラー

 

『レナードの朝』のあらすじ

 

1930年のある日、11歳のレナードは原因不明の病にかかり、手に麻痺症状が出てしまいます。その後症状が悪化していったレナードは、学校を退学せざるを得なくなりました。外に出ることができなかったレナードは、それからは毎日家で読書をして過ごすことになります。しかし1939年のある日20歳になったレナードは、ついには言葉を発することもできなくなり、ベインブリッジ病院に入院することになりました。

それから30年後の1969年、ベインブリッジ病院に一人の医師が面接にやって来ました。医師の名前は、マルコム・セイヤー( ロビン・ウィリアムズ)。人づき合いが苦手なセイヤーは、これまで研究を専門としていましたが、この慢性神経病専門の病院が欲していたのは、神経科の臨床医。自分は適任ではないと思ったセイヤーは諦めて帰ろうとします。しかし、面接官から「仕事が欲しいのでしょう?」と引き留められ、この病院で働けることになりました。

しかしこの病院の医師たちは、「慢性病の患者に治療法はなく、水と栄養を与えるだけだ」と言います。翌日、新患として入院してきた女性は、全身が動かず、セイヤーの質問に答えることもできません。ところがセイヤーが一瞬目を離した時、驚くことに彼女が自分のメガネを手に持っていたのです。動けないはずの彼女の行動の理由を紐解いたセイヤーは、彼女に向かってボールを投げます。するとその女性は見事にそのボールをキャッチしました。

その後セイヤーは、この病院内に彼女と同じ症状の患者が何人もいることを知りました。その患者たちもまた、ボールをキャッチすることができます。調べてみると、過去の診断は“非定型統合失調症” 、“非定型神経障害”など、どれも“非定型”となっていました。その病気の正体を探った結果、セイヤーはついに患者たちの共通点に気づきます。それは全員が1920年代に“嗜眠性脳炎”にかかっていたということです。そしてその後遺症研究をしていた医師を訪ね、セイヤーは自分の診断が間違っていないことを確信します。しかしその医師は「患者たちの脳は機能を失っている」という見解を示し、そのことがセイヤーには納得できません。セイヤーは「患者たちの脳は生きている」と信じていたのです。

その後セイヤーが患者たちを詳しく調べてみると、名前を呼んだ時、音楽を聴いた時、人と接触している時、それぞれ何に反応するかは様々ですが、確かに反応が見られました。それを見た看護師のエレノア(ジュリ―・カブナー)や、他のスタッフたちも、セイヤーに協力するようになっていきます。そんな中セイヤーは、一番重症のレナード(ロバート・デ・ニーロ)が、「“リルケ”の本を読みたい」と意志表示していることに気づきました。

セイヤーは、嗜眠性脳炎の後遺症患者の症状が、パーキンソン症候群の症状に似ていると感じていました。そこで「パーキンソン症候群の新薬・L‐ドーパを投与すれば効果があるのではないか?」と考えます。そして重症のレナードにその薬を投与することを、彼の母ロウ夫人(ルース・ネルソン)に同意して貰うのでした。そして、レナードに薬を投与して数日が経ちました。一向に効果が出ないことで薬の分量を増やしてみると、ついにレナードは目覚めます。何と自分の足で歩き、話すこともできたのです。この奇跡にスタッフは湧きたちました。

その後セイヤーに付き添われて町に出たレナードは、30年後の世界に戸惑いながらも、現実を受け止めていきます。そして他の患者たちもL‐ドーパにより目覚め、会話や遊びを楽しめるようになったのです。

 

『レナードの朝』の見どころ

 

レナードや他の患者たちは、L‐ドーパの投与によって一旦は回復しますが、“耐性”によってその薬が効かなくなり、また元に戻っていきます。

その過程でレナードはもがき苦しみながらも、愛する女性・ポーラを諦めたり、「みんなのために僕の記録を撮れ」と、自らを実験台にすることで、他の人の未来に希望を残そうとしました。

そんなレナードの姿と、医師・セイヤーの葛藤が見どころになっています。

 

『レナードの朝』の感想

 

この映画を観て、『アルジャーノンに花束を』を思い出す方も少なくないと思います。1959年に出版されたダニエル・キースの同名小説は、“SF”というジャンルであり、「知的障碍者に知能を高める手術を行い、一旦は回復して天才レベルになるが、元に戻っていく」というストーリーです。

勿論映画化もされていますし、日本でもテレビドラマ化されていますよね。

2002年にはユースケ・サンタマリアさんが、2015年には山下智久さんが主役を演じました。

ちなみに私は、どちらもリアルタイムで視聴して、涙腺がうるうるしていました。

『レナードの朝』(原題:Awakenings)は1973年の著書ですが、こちらの著書が“実話”であるため、映画はフィクションであっても「夢物語ではない」という感覚で見ることができます。

医師と患者の交流や喜びと悲しみ。

その中でも、レナードを演じたロバート・デ・ニーロのくったくのない笑顔に、ぐっとこみ上げて来るものもありました。

また医師セイヤーが、回復して元気な頃のレナードの映像を、笑いながら寂しそうに鑑賞している様子が切なかったです。

この現実逃避の場面が、結局元に戻ってしまった患者たちへの、セイヤーの自責の念を痛切に感じさせる一コマになっていたと思います。

この映画は、本当に素晴らしい名作でした。

 

『レナードの朝』のまとめ

 

今回は映画『レナードの朝』をご紹介しました。

新薬によって30年ぶりに奇跡的な回復を遂げた患者たち。

しかしその喜びの時が、永く続くことはありませんでした。

それでも「彼らは生きている、僕も生きたい」と思ったセイヤー医師は、人と向き合う姿勢を自ら積極的に変えていきました。

まだ観たことがない方には、絶対にお勧めしたい作品なので、興味がある方は、是非本編映像で視聴してみてくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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