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「万引き家族」あらすじ・キャスト紹介・感想・評価

「万引き家族」あらすじ

第71回カンヌ国際映画祭にて最高賞であるパルム・ドールを獲得した作品です。

題名からしてもかなり興味をそそられますしキャストが豪華すぎるほど豪華です。

これは東京の下町で暮らすとある家族のお話。

この家族は裕福とはとても言えない生活環境の中生活をしていました。

資金源としては治と信代夫婦の少しの給料と初枝の年金を当てにし、その他のものは万引きをして生計をたてていたのです。

そもそも無駄に税金をとられまいとお家に関しても初枝が一人で住んでいることになっていましたので、初枝の他に4人が住んでいることは秘密でした。

ここまでこの家族を見てきてとても良い暮らしをしているとはとても思えませんが本人たちはそれでも笑顔で幸せそうにお互いを支え合っていました。

冬を迎えたある日、近所で女の子が震えながら外にいるのを治が発見しました。

どうにかしてあげたいと思う一心でその女の子を家に連れて帰ります。

緊急の家族会議が開かれこの女の子の今後について話し合いをしました。

最初はこれは誘拐になってしまうから早く帰した方がいいとなりますがその子の体中の傷を発見した信代は一緒に住むことを決意しました。

その傷を見てからは誘拐ではなくてこれは保護に相当する、という意見になったのです。

女の子に名前を聞くと「ゆり」と名乗りました。

「ゆり」は柴田家の6人目の家族として受け入れられました。

柴田家にとって恐れていたことが起きたのはその数か月後だったのです。

捜索願が出されていたわけではなさそうなのですがテレビやマスコミで「ゆり」の行方が騒がれたのです。

テレビで報道されている女の子の名前は「じゅり」でした。

似ている名前ではまずいと話し合い「りん」と名付けました。

報道されている女の子とは別の女の子でいないといけないため髪もばっさりと切ったのです。

それからの柴田家は治が怪我によって仕事をすることが難しくなったのでますます生活が苦しくなっていきます。

6人家族の生活を助けるためにそれぞれができる仕事=犯罪をしていくのです。

しかし一方でどんどん家族の仲は深まっていくのです。

犯罪をすることで繋がっている家族の今後の行方はどうなっていくのでしょうか。

「万引き家族」キャスト紹介

リリー・フランキー(柴田治役)

1963年11月4日

マルチタレントとしてガンパウダー有限会社所属

この映画では東京の下町に暮らす日雇い労働者を演じる

安藤サクラ(柴田信代役)

1986年2月18日

女優としてユマニテ所属

この映画では治の妻を演じる

松岡茉優(柴田亜紀役)

1995年2月16日

女優としてヒラタインターナショナルに所属

この映画では信代の妹で女子高生を演じる

樹木希林(柴田初枝役)

1943年1月15日

女優として活躍していた

この映画では治の母を演じる

「万引き家族」感想

私が観た邦画の中で一番心に残る映画となりました。

映画を観たあとは少しずんとした気分になるのですがそれ以上に考えさせられることがある作品です。

現代社会の問題がぎゅっと詰め込まれていて考えなくてはいけないな、と私なりに感じました。

家族のありかたについては考えさせられました。

家族の定義が血のつながりだとしたら家族とは意外とたいしたのもではないのではないかと思ってしまいました。

それぞれが相手を想う気持ちにはとても感動しました。

表面の口ではぶっきらぼうで口も悪いのですが相手のことは本当に大事にしているんだな、と感じられる場面が何度もあります。

真剣に働くこともしないので真剣に働いてる人たちからしたら少しダメ人間なのですが憎むことができない愛おしさすら感じたのです。

胸が何度もぎゅーっと締め付けられるような時がありました。

そして、なんといっても俳優陣が豪華すぎました。

俳優さんの中でも実力派といわれる人たちが集結しているので演技力のレベルが高く作品の雰囲気がその演技力でできていたと思えるほどの素晴らしさでした。

子役の二人の演技力に関しては物語の中で生きている子どものように見えるほどでした。

本当にこの家族が日本のどこかで生活しているのではないかと錯覚してしまうほどです。

ハッピーエンドではないけれど最後のシーンからは一瞬とも目が離せずいつの間にかすーっと涙が流れていました。

最後のシーンはこの家族の思いが全て詰まっていて好きです。

「万引き家族」評価

終始暗い雰囲気でストーリーが展開していくので是枝監督作品が好きな人にとっては好き嫌いが分かれてしまう作品でもあるかもしれません。

犯罪を犯している家族に対してダメなことだ、と真っ向から否定することができないのがこの作品の一番面白ろさがでているところなのではないかと思います。

犯罪に対して正論をかましてもどこか違和感を感じてしまう、そんな映画なんです。

一体なにが正解なのかは専門家や一般人が考えてみても中々難しい問題なのです。

血がつながっていなくても一緒に生活していく中での目的が一緒であれば仲も深まり信頼関係もできます。

虐待やネグレクトが問題視される現代社会だからこそ今一度みんなが立ち止まって考えていかなくてはいけない現実問題なのではないかと感じました。

どんな人も人から生まれます。

この映画はどんな人でも同じような感覚で捉えられる気がしました。

最近はこのような社会問題を表面化している映画が注目されています。

私はそれが良いことではないと思うのです。

そんなこと現実社会ではありえないよね、と思える社会になっていってほしいなと強く思います。

コロナの時代になったからこそより鮮明に浮き彫りになる日本の貧困問題にみんなが目を向けていかなければなりません。

この作品がすっきりする結末で終えていないことにもなにか意味があるのかもしれません。

最後に

家族の在り方、現代の社会問題について沢山考えさせられる映画です。

なにか人生において立ち止まることが来るときこの映画をぜひ見てみて下さい。

あなたの人生になんらかの意味を持たせてくれるはずです。