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「MOTHER マザー」あらすじ
17歳の少年が引き起こした一つの殺人事件を実話ベースに描いた心揺さぶる感動作です。
シングルマザーである主人公の秋子はパチンコ好きなためいつもお金に困っていました。
息子の周平はそんなお母さんを見かねつつもお母さんと一緒に居ました。
秋子の実家にお金を借りに行くこともありました。
しかし、これは最初という訳ではなく何度も重ねている様子で遂に家族から愛想を尽かされてしまったのです。
これからどう生活していこうかと途方に暮れている最中、秋子はゲームセンターで遼という一人のホストに出会います。
この出会いから徐々に秋子の生活に変化が見られるのです。
出会ったその日から秋子と遼は一緒に秋子のアパートで暮らすようになります。
周平からしてみれば二人のパシリとしてコンビニにおつかいに行かされたり、二人の邪魔をしないように気を遣う毎日でした。
それに学校にも通わせてもらえずに家で一日中ゲームをして時間を潰していく毎日です。
秋子と遼は何日も家に一人遼を置いて出かけることもありました。
電気もガスも止められてしまった家に一人きりです。
お金も底をついているので3人はとある日からラブホテルを転々とする生活となりました。
そんな日々を過ごしていた秋子はある日妊娠したことがわかります。
自分の子どもではないと認めない遼はおろせ、と怒鳴りつつかみ合いの喧嘩になります。
頭にきている遼と暴力を振られた秋子は別れることになります。
ここから周平と秋子、そしてお腹の中の子どもという3人での生活が始まります。
秋子の頼りは息子の周平だけでした。
「私には周平しかいないんだからね、」と困ったときはこの言い草です。
お金も家もないのに二人の子どもを抱えたシングルマザーである秋子と二人の子どもはどんな人生を歩んでいくのでしょうか。
そしてどんな事件が起こってしまうのでしょうか。
「MOTHER マザー」キャスト紹介
長澤まさみ(三隅秋子役)
1987年6月3日
女優として東宝芸能所属
この映画ではシングルマザーとして子どもを育てる母親役を演じる
奥平大兼(周平役)
2003年9月20日
俳優としてスターダストプロモーション所属
この映画では秋子の息子を演じる
阿部サダヲ(川田遼役)
1970年4月23日
俳優・歌手として大人計画所属
この映画ではホストであり、秋子の内縁の夫を演じる
「MOTHER マザー」感想
ずーんと気持ちが重たくなる映画でした。
そしてこんなことが実際にあったと思うと心が締め付けられました。
「子どもは親を選べない」こんな言葉を誰しもが一度は聞いたことがあると思います。
この映画はまさにそれをよく表している映画だな、と思いました。
周平は小さい頃から学校にも行けなかったのでもちろん外の世界を知らないのです。
これが一番大きかったんではないかと思います。
もし周平が学校に通っていたら自分の家庭に起きている異変を異変であると気づけたかもしれないからです。
他と比べることすらできない環境で育ってしまった子どもの末路がどれだけ恐ろしいものなのかを教えてくれました。
そして母を想う州兵の気持ちは計り知れないもので私には本当に理解できなかったけど他人が理解できるわけもないからこそ恐ろしいなと感じました。
お母さんを支える周平の姿は終始思いやりに溢れるとても健気なものでした。
母の一言で本当に祖父母を殺してしまうなんて、、考えられません。
本当に悲しくてずっと胸が締め付けられていました。
切なくてはかなすぎる映画でした。
「MOTHER マザー」評価
この作品を映画として世に出すことに賛否両論あったことと思います。
しかし、私は二度とこんなことが起きないためにきちんと世の中の人がこういう世界で生きている人もいるということを知ることが大切なのではないかと思うのです。
実話ベースの作品をここまでリアルに表現しているのはこの作品のすごいところだと思います。
そして長澤まさみと奥平大兼の演技力には圧巻です。
二人にはなにかこちらにはわからない絆で結ばれていたし、二人なりの信頼関係が見えました。
こちら側をどんどん作品に夢中にさせてくれるそんな力をもつ演技でした。
そしてこの映画での一番注目すべきところは、母親だけを責めても何も解決しないということなのです。
こんな母親がのうのうと生活できてしまうこの社会をどうにかしないといけないと強く思いました。
現在実際に起こっていることがここまで鮮明に描写されているのでこの作品を通してこんな世の中があることを知らなかった人にはより心に響く作品なのではにでしょうか。
公園で寝転ぶホームレスやコロナによって失業してしまった人がこの日本では多くいます。
いつもは見て見ぬふりをしていた日常、そんな日常を少しだけ変えてみることで救われる命があるかもしれません
最後に
日本のどこかで実際にこんな生活をしている人たちがいるなんて想像できますか。
大人の都合でいつも犠牲と隣り合わせなのは子どもたちです。
きっとみなさんの心の中のなにかが揺さぶられる映画です。