ある日を境に全てを失い心を閉ざして、長年孤独に生活していたケイコ。ラトビアの首都リガを訪れることになり、着物を通してあらゆることに触れるうちに、次第に自分を取り戻していきます。
着物ショーの舞台裏でかつて行方不明になっていた夫と不思議な再会をし、固まってしまった心が少しずつ緩んでいく人間ドラマです。
『ふたりの旅路』のあらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。
(トップ画像公式ページより)
『ふたりの旅路』概要
公開日:2017年6月24日
上映時間:95分
桃井かおりとマリス・マルティンソンス監督のタッグで送る人生賛歌の映画です。
神戸市とその姉妹都市であるラトビアの首都リガとの、姉妹都市提携40周年記念で共同製作された作品。
『ふたりの旅路』あらすじ
あることがきっかけで自分の殻に閉じこもってしまったケイコは、ラトビアの首都リガで行われる着物ショーに参加することになりました。
そこで阪神淡路大震災の直後に行方不明になって20年が経つ夫と不思議な再会をします。現実離れした状況に戸惑う中、ところどころで現れる夫に邪険な態度を示していました。
そうしているうちにその夫が本物であることがわかり、ケイコは心を開きます。
結婚式まじかで娘を交通事故で亡くし、その後すぐに夫も夢も失ったケイコの今まで寂しかった気持ちが解けていきました。
しかしもうその時には、再び悲しい別れがまた訪れてしまうのです。
『ふたりの旅路』キャスト紹介
《監督》マリス・マルティンソンス
《キャスト》桃井かおり 【ケイコ】
《キャスト》イッセー尾形 【ケイコの夫】
《キャスト》アルトゥールス・スクラスティンス 【ロベルト】
《キャスト》木内みどり 【ケイコの隣人】
《キャスト》石倉三郎 【和食店オーナー】
『ふたりの旅路』感想(評価)
全てのシーンの絵が美しくて、観ていて清らかで絵画を見ているような気持ちになりました。
物語は着物がひとつの柱になっていますが、日本の着物を西洋の背景の中でここまで美しく撮っていたのには、ハッとさせられとても洗練されたものを見ることができました。本当に美しくオシャレでした。
視覚的なものだけではなく、日本人の着物に対する想いや思い出、習慣を大事に尊重していて、それぞれの国の文化が大切に融合されていました。
また主人公のケイコとケイコの夫との熟年夫婦の日常の会話は、強い絆と深い愛を感じさせ、夫との別れの場面では心が揺さぶられました。
ケイコの内面のかわいらしさや、頼りなさ、女性らしさが素敵で、はかなさと強さが観るものを惹きつけます。ケイコを演じる桃井かおりさんの演技力も堪能できる作品でした。
『ふたりの旅路』まとめ
これから幸せが一度にやってきて目の前が開けてくるという直前で、ケイコは大切な全てものもを一気に失い、耐え切れずに自分の殻に閉じこもって20年。
夫と不思議な形で20年ぶりに再会したケイコとその夫との、これまでの旅路そして再会した時間も短い旅として、観る人全てがその旅を想像する。
この映画を観終わったあと私の心に残ったのは、心の中で想いたまに語りかけていた相手は、ちゃんといつでも本当にそばにいてくれたんだという温かい気持ちでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。