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映画『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』あらすじ・キャスト・感想(評価)・まとめ

 下町人情喜劇『男はつらいよ』シリーズ第15作。

 パパこと兵頭謙次郎が、寅次郎への旅のお礼で持ってきたメロンをめぐる一件「メロン騒動」、そして寅次郎が柴又駅まで雨が降る中リリーを迎えに行き、相合い傘で帰ってくる名場面が観られるのはこの作品です。

 映画『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』のあらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。

映画『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』概要

公開日:1975年8月2日

上映時間:91分

配給:松竹

観客動員数:200万人 (前作は226万7000人) …シリーズ第3位

配給収入:9億3000万円 (前作は11億円)

 

ロケ地…札幌(北海道) 、函館(北海道)、小樽(北海道)

 

【スタッフ】

監督・原作…山田洋次

脚本…山田洋次、朝間義隆

撮影…高羽哲夫

音楽…山本直純

美術…佐藤公信

映画『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』あらすじ

 青森県の八戸で、通勤中にふいに蒸発したくなったという中年男の兵頭謙次郎(パパ)と出会った寅次郎。ふたりで旅を続けていると、函館のラーメン屋でリリーとばったり再会します。それから3人は楽しく旅をしていました。

 小樽に着くと昔の恋人に一目会いたいと、その女性のところに行ってみるパパ。その時に交わした話や想いを聞いているうちに、リリーと寅次郎はケンカになってリリーの心を傷つけてしまった寅次郎。リリーは涙の流しその場から立ち去ってしまいます。

 そのことを悔やむ寅次郎は、リリーが柴又に来てはいないかと帰りました。しかしそこに彼女の姿はなく、さくらにそのことを打ち明けていると、なんとそこへリリーがやってきたのです。すぐにふたりは再会を喜び仲直り。

 その後とても仲の良さそうな二人を見るとらやの人々や、柴又の人。彼らの目にふたりはどう映っているのか。そして当人である寅次郎とリリー、ふたりの気持ちとそこからの展開は…。

映画『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』キャスト紹介

車寅次郎…渥美清

 14歳の時に父親(今は他界している)とケンカ別れして家を出てから、20年間故郷に帰らずに旅に出ていましたが、第1作目で帰ってきて以来、旅に出たり帰って来たりを頻繁に繰り返すようになりました。異母兄弟の妹さくらがいます。家業はテキヤ。

 

諏訪さくら…倍賞千恵子

 寅次郎の異母兄弟です。博と息子の満男と3人で暮らしています。

 

リリー松岡…浅丘ルリ子 《マドンナ》

 昔レコードを出したが、今は全国のキャバレー回りをして歌を歌う旅回りの歌手です。寅次郎と最初に出会いは、北海道の網走でした。すし職人と結婚して、亭主とともに鮨屋を営みますが離婚。またキャバレー回りに戻り、寅次郎に会いに来ました。

 

御前様…笠智衆

 柴又帝釈天のご住職です。

 

車竜造(おいちゃん)…下条正巳

 寅次郎の父親の弟です。寅次郎とさくらにとっては、叔父にあたります。さくらの育ての親。和菓子「とらや」の店主です。3代目おいちゃん。

 

車つね(おばちゃん)…三崎千恵子

 おいちゃんの奥さんです。寅次郎とさくらにとっては叔母にあたります。実の子供はできませんでしたが、さくらの育ての親です。和菓子「とらや」をおじちゃんと一緒に切り盛りしています。

 

諏訪博…前田吟

 共栄印刷の職工のひとりです。狭いながらも自分の家を買い、さくらと息子・満男の3人暮らしです。実家は岡山県。

 

小倉梅太郎(共栄印刷社長・タコ社長)太宰久雄

 とらやと親戚付き合いをしている、とらやの隣にある印刷工場の社長です。手形の期限に追われては、中小企業の大変さやつらさをこぼしています。妻とはお見合いで結婚し、子だくさんの父親。

 

諏訪満男…中村はやと

 博とさくらの一人息子です。

 

源公…佐藤蛾次郎

 帝釈天の寺男をしています。

 

兵頭謙次郎(パパ)…船越英二《ゲスト》

 一流企業に勤めるエリート課長です。毎日同じことの繰り返しに嫌気がさして、突然家を出て蒸発。一週間ちょっと家に帰らず、寅次郎と旅をしていました。青森の八戸で出会ったのがきっかけです。

映画『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』感想(評価)

 リリーさんが出てきた第11作『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』のときの切ない思い出に、さらに寅次郎とリリーさんの想いが重なり、あらゆるシーンで深みのある物語になっていました。

 またリリーさんは寅次郎と同じ旅ガラス。本当に二人が一緒にいるところは泣けてきます。笑いながら泣いている喜劇の肝がまさにこれですね。

 リリーさんと寅次郎の関係は、数あるマドンナとのお話の中でも最もいいなあと感じます。ふたりの信頼関係が嘘でなく作り物でもなく最高です。

 そしてメロン騒動。これはこの部分だけ切り取ってみても、いろんなものが伝わる場面なので、男はつらいよ初心者の方にもおすすめのシーンですね。

映画『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』まとめ

シリーズの中で特に映画『男はつらいよ』の良さが出ている作品になっています。

名場面、名シーンの詰まった第15作。笑いあり涙ありの展開は間違いなしです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。