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映画『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』あらすじ・キャスト・感想(評価)・まとめ

 下町人情喜劇『男はつらいよ』シリーズ第23作。

 これまで何不自由なく育ってきたお嬢様が、マリッジブルーに悩み、幸せについて真剣に考える物語です。

 映画『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』のあらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。

映画『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』概要

公開日:1979年8月4日

上映時間:107分

配給:松竹

観客動員数:172万6000人 (前作は191万5000人) 

配給収入:10億7000万円 (前作は11億6000万円)

 

ロケ地…支笏湖(北海道)

 

【スタッフ】

監督・原作…山田洋次

脚本…山田洋次、朝間義隆

撮影…高羽哲夫

音楽…山本直純

美術…出川三男

映画『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』あらすじ

 マリッジブルーに悩み北海道に一人旅に来ていた入江ひとみは、見知らぬ男に言い寄られていたところを寅次郎に助けてもらいました。本当の幸せは何なのかと悩んでいることを聞いてもらい、寅次郎から困ったことがあったら柴又のとらやを訪ねるようにと言われます。

 ひとみは一足先に東京に帰り、結婚式を向かえました。式が始まりお色直しに入るところで想いがはじけ、ウエディングドレスを着たままタクシーに乗り、とらやに駆け込むひとみ。そこで寅次郎と再会します。

 ひとみの母・絹子は娘のひとみをすぐに迎えに来ましたが、ひとみは頑としてとらやから動きません。すると婚約相手の邦男がひとみを訪ねてきました。最初は突っ返していたものの、邦男のまっすぐでひたむきな彼女への想いを知ったひとみは……。

映画『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』キャスト紹介

車寅次郎…渥美清

 14歳の時に父親(今は他界している)とケンカ別れして家を出てから、20年間故郷に帰らずに旅に出ていましたが、第1作目で帰ってきて以来、旅に出たり帰って来たりを頻繁に繰り返すようになりました。異母兄弟の妹さくらがいます。家業はテキヤ。

 

諏訪さくら…倍賞千恵子

 寅次郎の異母兄弟です。博と息子の満男と3人で暮らしています。

 

入江ひとみ…桃井かおり 《マドンナ》

 田園調布に住む世間知らずでお嬢さん育ちの24歳くらいの女性です。政略結婚でマリッジブルーになって、ひとりで北海道旅行をしている時に、寅次郎に出会いました。

 

御前様…笠智衆

 柴又帝釈天のご住職です。

 

車竜造(おいちゃん)…下条正巳

 寅次郎の父親の弟です。寅次郎とさくらにとっては、叔父にあたります。さくらの育ての親。和菓子「とらや」の店主です。3代目おいちゃん。

 

車つね(おばちゃん)…三崎千恵子

 おいちゃんの奥さんです。寅次郎とさくらにとっては叔母にあたります。実の子供はできませんでしたが、さくらの育ての親です。和菓子「とらや」をおじちゃんと一緒に切り盛りしています。

 

諏訪博…前田吟

 共栄印刷の職工のひとりです。狭いながらも自分の家を買い、さくらと息子・満男の3人暮らしです。実家は岡山県。

 

小倉梅太郎(共栄印刷社長・タコ社長)太宰久雄

 とらやと親戚付き合いをしている、とらやの隣にある印刷工場の社長です。手形の期限に追われては、中小企業の大変さやつらさをこぼしています。妻とはお見合いで結婚し、子だくさんの父親。

 

諏訪満男…中村はやと

 博とさくらの一人息子です。

 

源公…佐藤蛾次郎

 帝釈天の寺男をしています。

 

旅館の若旦那…湯原昌幸《ゲスト》

 北海道の支笏湖の湖畔にある旅館の若旦那です。女性に目がなく洗い手口で襲い掛かろうとするところがあります。

 

小柳邦男…布施明《ゲスト》

 インテリア会社社長の御曹司で、ひとみの婚約者です。結婚式の式中にひとみに逃げられショックを受けますが、自分を変える為に家を出てインテリア会社も辞め、自立することを決意。

 

入江絹子…木暮実千代《ゲスト》

 ひとみの母で田園調布のマダムです。

映画『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』感想(評価)

 邦男とひとみの心のやりとり、そして特に邦男のひとみへの想いには胸が熱くなりました。一度結婚をあまりにも無残な形で台無しにされているにもかかわらず、邦男は大好きな相手から嫌われていると思い、その嫌われている部分を変えようとする姿勢は実にまぶしかったです。

 忘れてしまったことすら忘れていた、ひたむきさやまっすぐさをこんな形で思い出させられるとは。こんなふうにされてしまったら、たまらないですね。

 どんな状況になろうとも感情を暴走させることなく、淡々と自分を変える行動を起こして、どんなところにいても品良く人がいい邦男のひたむきな姿には、根底に隠されたひとみへの尊敬と愛情の大きさを深く感じました。

 またひとみの独立心の強さやお嬢様らしさは、“桃井かおり”が大いに出ていて、個性的なお嬢様像を作り出していたように思います。そしてひとみの母・絹子演じる木暮実千代さんのお芝居、とても好きです。彼女の他の作品も観ていきたい。

 それにしても、とらやの茶の間は本当に温かいですね。今回もとても癒されました。

映画『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』まとめ

 親子といえど人それぞれ意思や価値観が異なることを伝えながら、そのことにしっかり向き合って本当の幸せを見つけ掴もうとする、若者の自分の人生に対する力強さを感じさせてくれたお話でした。

 最後までお読みくださり、ありがとうございました。