SNSで繋がっている友達は本当に友達ですか?
あなたの分身のようなそのスマホ、個人情報はちゃんと守られていますか?
ただ、スマホを落としただけなのに……SNS時代を代表する、SNSミステリー映画です。
あらすじ、キャスト、感想などをまとめてみました。
(トップ画像公式ページより)
目次
『スマホを落としただけなのに』あらすじ(ネタバレ)
商社の派遣社員として勤めている稲葉麻美、その恋人の富田誠はプレゼンに向かうタクシーの中で、スマホを落としてしまいます。連絡が返ってこないので、麻美は富田のスマホに電話をしてみると、タクシーの中で拾ったという人物が電話に出ます。
「横浜のカフェの店員に預けておく」というので、麻美は富田の代わりにスマホを受け取りに行き、無事本人の元へそのスマホは戻されました。しかしそこからふたりは不可解な出来事に悩まされるようになるのです。
一方で、山奥では10~30代の女性5人が、下腹部を何度も刺され遺体となって発見されました。警察は猟奇的な連続殺人事件とみて、警部補の毒島と新人刑事の加賀谷たちが、捜査を開始します。被害者の共通点は長い黒髪で、いずれもその髪の一部が刈り取られているのでした。
富田がスマホを落としてから、ネットショッピングでの謎の請求や、何者かによるSNSの乗っ取り、知り合いからの執拗なメールに、富田と麻美は翻弄させられるようになります。
トラブルが続いたので、麻美は同僚の加奈子の知り合いである、ITセキュリティー会社の社長のところでみてもらうことにします。駆けつけたその会社の社員の浦野によって、すぐにトラブルは解消されます。
事件はやがて突然行方不明になっていた風俗嬢が、殺害されたうちのひとりだということがわかり、スマホが生きていることから、被害者の生存を疑っていなかった人間も、IT業界出身の加賀谷の推理により、犯人のなりすましではという可能性が浮上します。
そして加賀谷の推理は、犯人が異常な執着を、殺された女性にもっていたのではないかというところにまで及んでいきます。
富田と麻美は、一旦解決したかに見えたスマホのトラブルにまた振り回され始め、お互いに他の異性と一緒にいる、勘違いさせるような写真や動画を何者かに送り付けられ、どんどんとギクシャクし、ふたりの関係は悪化していくのです。
何とかしようと麻美は改めて浦野に相談し、解決してもらいます。浦野はこれでもう大丈夫だと、乾杯するために飲み物を持ってくると、突然ナミエというのは誰かと尋ね、麻美はいつの間にか気を失ってしまいました。
目が覚めると麻美は、全ての事実を知ることになります。自分たちを翻弄させていたのは誰か、連続殺人犯は誰か、そして自分の過去も全てバレていました。
実は麻美は、昔同棲していて借金に苦しんで死んだ親友に、整形手術までしてなりすましていたナミエという人物だったのです。
助けに来た富田に、麻美は自分の過去を全て話しました。しかし戸惑う富田はその後、麻美と連絡を取るのをやめてしまいます。
それからしばらくしてから、富田が一度麻美にプロポーズしたプラネタリウムでふたりは再会し、名前を新たに一緒に人生を再スタートすることを決めるのでした。
『スマホを落としただけなのに』キャスト紹介
【原作】志駕晃(しがあきら)
ニッポン放送関連会社の役員ですが、小説家としてはこのペンネームで活動されています。
スマホを落としただけなのに シリーズの原作を全て書かれていて、この『スマホを落としただけなのに』がデビュー作です。
【監督】中田秀夫
『リング』『仄暗い水の底から』など、数々のホラー映画作品を輩出していることでも有名な監督です。
しかしご本人はメロドラマ志向の方であるようです。そういった作品も観てみたいですね。
【キャスト】北川景子(稲葉麻美)
商社に勤める派遣社員。
【キャスト】千葉雄大(加賀谷学)
IT会社の元プログラマーで、転職してきた新人刑事。
【キャスト】成田凌(浦野善治)
セキュリティー会社の社員。
【キャスト】原田泰造(毒島徹)
捜査一課の警部補。
【キャスト】田中圭(富田誠)
麻美の彼氏。スマホを落とした張本人。
【キャスト】要潤(武井雄哉)
一流企業に勤めるエリート会社員。麻美の大学の先輩で、無類の女好き。
『スマホを落としただけなのに』感想・評価
この作品はまず内容がとても面白いです。誰が犯人なのか、正直最初スマホを拾ったという謎の人物が、男なのか女なのかすらわかりませんでした。
落としたスマホは返ってきても、中に入っているデータを盗まれるだけでなく、今現在自分の手元で行っている操作が、第三者から丸見えになってしまうという恐ろしい事態を招かないよう、常に気を付けようと思いました。特にSNSの乗っ取りは非常に怖いです。
最近ではよりこういったトラブルや事件が多種多様にあるので、スマホの管理は徹底したいものです。
浦野(成田凌)の変貌ぶりは非常にコミカルで、ナミエというのは誰かと尋ねたときの、何かカチカチと音を鳴らしていたのは、なんとも可笑しく不気味さを加えていて、おもしろかったです。この浦野の役は、かなり評価されたようです。
また浦野(成田凌)に着目して観ていくと、富田(田中圭)と麻美(北川景子)がふたりで浦野にスマホのトラブルを解消してもらっているとき、瞬間的に犯人の顔を見せているところがあり、そういったところも探していくと面白さが増すかもしれません。
そして加賀谷(千葉雄大)が実は犯人と同類の生き物であるというのは、作品に深みをもたらしていたように思います。これについての話が、次作『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』に続いているとのことなので、続けてみたい作品です。
富田(田中圭)が麻美(北川景子)と、最終的に一緒に人生を歩んでいくことを決めたのは、心が温まり未来が明るくなってホッとしました。
『スマホを落としただけなのに』まとめ
時代を投影したこの作品は、誰にでも起こりえる身近な問題をテーマにしていて、素直にスマホを落とさないようにしようと思いました。
犯人像のおもしろさや、それを追いかける刑事が自分を振り返りながら推理していくところ、そして主人公とその彼氏がスマホを使わない環境で、最終的な未来の決断をしたところなど、見どころが満載です。
スマホがあるからと安心するだけではなく、生身の人間や五感で体感ができる今この瞬間を、しっかりと自分の目でみていくことの大切さも感じました。まさに今観てほしい映画です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。