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映画『百円の恋』あらすじ・キャスト・感想(評価)・まとめ

人間の弱さと強さに正面から向かい合う、挫折した女と男の再生物語です。

自分の価値は百円ほどだと言う32歳の女性が、傷だらけになりながらも「恋」と「闘い」に懸命に生きる姿が描かれています。

呆れるほどに、痛かった。

映画『百円の恋』あらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。

映画『百円の恋』概要

公開日:2014年12月20日

上映時間:113分

 

【スタッフ】

監督…武正晴

脚本…足立紳

制作会社…東映ビデオ

映画『百円の恋』あらすじ

 32歳の斎藤一子は、無職で実家に引きこもり自堕落な生活をしていました。父はあまり役には立ちませんが、母が弁当屋を切り盛りしてそれなりに円満に暮らしていました。

 しかしそこへ夫と離婚した一子の妹、二三子が息子を連れて帰ってきます。一週間と経たないうちに、一子の自堕落ぶりに爆発してしまう二三子。朝から姉妹で取っ組み合いの喧嘩をして、一子は母にお金をもらい一人暮らしを始めることになりました。

 これからの生活費を稼ぐため、一子は実家にいたときから夜な夜な通っていたコンビニエンスストア「百円生活」でアルバイトをすることを決めます。その帰り道いつも前を通っては眺めていた青木ジムの前で、以前から一目惚れしていた狩野に声を掛けられ、デートに行くことに。

 その後も狩野は「百円生活」で大量のバナナを買っては、さりげなく一子にアプローチします。次第にふたりは仲を深め、ともに生活するようになりました。しかし幸せはつかの間。他の女性に気が向いてしまった狩野は、一子の家に帰らなくなるのでした。

 それを機に一子は前から好きだったボクシングを始めるべく、自分が青木ジムに入会したのです。プロテストにも合格し、試合にも出場。一子はどんどん変わっていくのでした。

映画『百円の恋』キャスト紹介

斎藤一子…安藤サクラ

 実家に引きこもって自堕落な生活を送る32歳の無職の女性です。

 

狩野祐二…新井浩文

 一子が一目惚れしてしまったストイックな37歳のボクサーです。

 

池内敏子…根岸季衣

 コンビニエンスストア「百円生活」の元店員。店のお金を盗んでクビになった後は、夜になると廃棄の弁当をもらいに来ています。

 

岡野淳…宇野祥平

 コンビニエンスストア「百円生活」店長です。うつ病になっています。

 

青木ジム会長…松重収

 狩野が所属していたジムの会長。のちの一子もここへ所属します。

映画『百円の恋』感想(評価)

 冒頭のシーンでの一子の姿には、本当に驚きました。現在の安藤サクラさんとはまるで別人。「万引き家族」での出演の時にも思いましたが、この女優さんは海外の俳優のようなお芝居をしています。これこそ実力派女優ですね。最初の一子は実に醜かったです。素晴らしい。

 一子は一人暮らしをして正解でした。身の危険があって、とても辛い思いもしてしまいましたが、彼女はとても強くてたくましかった。つらく悲しいときこそ、怒りをエネルギーに変えてボロボロになっても闘い抜きましたね。

 彼女が試合でぼろ負けですでに倒れているのに、それでもリングの上で闘うことを望む姿、私は大好きです。あの試合のシーンは、ジムの方々の掛け声がなんだか自分にかけられているような感じがして、涙が止まりませんでした。

 青木ジムの会長の「こんな顔になって。…俺はこういう試合は嫌いじゃないぞ」という言葉は、人間臭くて何度思い出しても感動してしまいます。

 ジムに貼ってあった「Hungry,Angry」の言葉が私は好きです。こんなにエネルギーをくれる作品だったことに、気づけたことが宝物のような作品です。いい映画でした。

映画『百円の恋』まとめ

今の時代に最も観てほしい作品かもしれません。

つらくて悲しくて、その感覚すら感じないようになってしまった全ての人へ、この映画をおすすめします。

怒りを破壊ではなく生産のエネルギーにして、一子のように闘っていきたくなりました。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。