今回は、 ノア・バーム・バック監督・脚本による 2017年アメリカのコメディドラマ映画、『マイヤーウィッツ家の人々 (改訂版)』(原題 The Meyerowitz Stories (New and Selected))をご紹介します。
特にアダム・サンドラーとダスティン・ホフマンの演技が賞賛され、2017年カンヌ映画祭で4分間のスタンディングオベーションを受けた名作。
気難しい彫刻家の父親を演じたのは『卒業』『レインマン』などの名優のダスティン・ホフマン。
その父親に振り回されて育った長男をコメディの帝王といわれるアダム・サンドラーが演じています。
ほかにも、次男役にベンステイラー、ハロルドの4番目の天然妻をエマ・トンプソンが演じる豪華キャスト。シガニーウィーバーもちょこっと出演しますよ。
姉弟3人と気難しい父親、それぞれの関係性がドラマティックでコミカルに表現されています。
気難しい家族をお持ちの方は感情移入や同感する部分が多い映画になるでしょう。
ネタバレがあるので気をつけてくださいね。
目次
【マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)】キャスト紹介
- ダニー(アダム・サンドラー)
- ハロルド(ダスティン・ホフマン)
- マシュー(ベン・ステイラー)
- ジーン(エリザベス・マーベル)
- イライザ(グレース・ヴァン・パットン)
- モーリーン(エマ・トンプソン)
- ロレッタ(レベッカ・ミラー)
- LJ(ジャド・ハーシュ)
【マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)】あらすじ
マンハッタンに住む、彫刻家で気難しい父親のハロルド(ダスティン・ホフマン) は4度目の結婚相手、 モーリーン(エマ・トンプソン)と長女の イライザ(グレース・ヴァン・パットン) と一緒に暮らしています。
そのマンハッタンの父の元に、娘のジーンの大学進学と自分の離婚を機にやって来たダニー(アダム・サンドラー)。
ダニーはピアニストになる夢をあきらめ、主夫をしていたが、2度目の離婚……
父親は年のことも考えて、家と自分の作品を売る計画を立てているのですが、ダニーは反対。
ですが、頑固な父親でしかもちょっと天然な父親は聞く耳持たず。
突然ハロルドの友人LJから作品展への招待が来ます。
ダニーと共に、作品展へ出向いたハロルド、特別扱いされないことに腹をたて、
せっかくダニーが久しぶりにLJの娘ロレッタと会って、恋の予感を感じながらおしゃべりしていることなんてお構いなく、すねて走って帰ってしまいます。
足が悪いダニー、ロレッタに後ろ髪をひかれながら、心配して追いかけるのですが、このシーンはダスティンが可愛すぎて笑いました。
この作品展にシガニーウィーバーが本人役でLJの友人として出演。
父親が彫刻家になることを希望していたマシューは、建築関係の会社をおこし、成功しているハロルドの次男でダニーの異母兄弟。
マンハッタンに父親とランチにやってきます。
お店では、隣の奴がいけ好かないと怒って店を出ていくハロルド、自分のジャケットをアイツが間違って持って行ったと怒り、マシューが追いかけますが、結局ハロルドのカン違い。
そんな風にマシューもハロルドに振り回されて、喧嘩別れをします。
そんなハロルドは愛犬と散歩中に転んで頭を打ったことが原因で、昏睡状態に陥り入院します。
ベテラン神経外科医もびっくりするほどの症状をハロルドは4か月も耐えていた結果起こってしまったのです。
とことん頑固で家族泣かせのおじいちゃん。
一度は持ち直したものの、昏睡状態に陥り、危険な状態が続きます。覚悟を決めたダニー、マシュー、ジーンは父の病状を見守るために同居が始まります。
そこから、家族との葛藤や、父親との関係になやんでいたことを話し合い、なんとなく家族を取り戻していく3人。
ダニーも足の手術をして無事退院、ハロルドも奇跡的に回復して自宅に戻ります。
ハロルドは 足の手術をしたばかりのダニーにランチでも行こうと誘います。
そこで ダニーに 、土曜日はLJが来るから映画かボーリングにでも行くように天然発言をするんですね。
堪忍袋の緒が切れたダニーはお皿を投げつけ、とうとうマシューのいるニューヨークへ行ってしまうんです。
とことん我が道を行くハロルド。
ダニーは空港へ向かう途中、ロレッタと偶然出会います。
ロレッタも彼氏と別れており、また会う約束ができたので、それだけはダニーにとって救いでした。
【マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)】見どころ
ダニーはピアニストになる夢をあきらめ主夫になったのに、二度目の離婚……
短気なところと離婚歴がちょっぴり多いのは父親に似ている。 口癖も「son of a bitch」
ダニーとハロルドが昔を思い出して、一緒にビリヤードをするシーンでは、ハロルドがうまくいかずキューを折ってしまいます。
その時も 「son of a bitch」 …… にたもの親子ですね。
LJの作品展の 帰り際、ダニーはハロルドにロレッタの連絡先を聞き忘れたから、LJの連絡先を教えてと尋ねますが、勝手に教えるのは気が引けるとハロルドはダニーの気持ちはお構いなし。
そんなことより、シガニー・ウィーバーが自分に話かけたことを自慢します。自分のこと以外に興味がない天然パパ。
とにかく子供たちが言葉を失うほど、ブラックで天然な発言が多いハロルド、好き勝手生きて幸せですね。家族泣かせの幸せ者!
ダニーとマシューが、 この世の全てと父親への恨みやをぶつけるように、 昔エリザに虐待をした相手の車をボコボコにします。
そしてエリザに「やってやったぞ!」とドヤ顔をして、逆にエリザに「私は気持ちよくない」と怒られます。
いい大人の男二人がとても子供に見えたそのシーンはノア・バーム・バック監督か、それともアダム・サンドラーのアイデアかな?と想像してみると、10倍は楽しめるとおもいますよ。
ダニーとマシューがとっくみあいの喧嘩をするんですが、それは子供のころ異母兄弟でいがみあい、本当の兄弟のようにかかわってこなかった反動なんでしょうね。
それが父親の元に集り、一緒に過ごすうち、お互いの感情が好きにかわって喧嘩という表現になったのでしょう。
ダニーとマシューが傷だらけの顔で父親の作品展でスピーチするシーンもバカな兄弟だなって、愛情を持って見れたシーンでした。
【マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)】感想・まとめ
御年80歳過ぎたダスティン・ホフマンがすねて走って逃げていく姿が可愛くて仕方がなかったです。
歳をとると、頑固になるとは聞きますが、ハロルドは特に扱いに困るおじいちゃんでしょうね。ダニー達子供には頑張ってね!という言葉しか見当たりません。
最後の最後まで、自分のことしか頭になく、天然発言を繰り返すハロルド、なんだかんだいって
すごくいい子供たちに囲まれていて幸せな人です。
ハロルドは犬には優しいんですよね。