青春と郷愁、映画そのものへの愛情が描かれている作品で、1989年アカデミー賞外国語映画賞にもなった名作です。
この映画で使われている主題曲「Cinema Paradiso」は、企業CMやドラマなどこれまでに様々なところで頻繁に使われてきました。
映画『ニュー・シネマ・パラダイス』の あらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。
目次
映画『ニュー・シネマ・パラダイス』 概要
公開日:1989年12月16日(日本)
⇒⇒初公開は銀座4丁目の「シネスイッチ銀座」(単一映画館上映)
上映時間:124分(国際版)
製作国:イタリア、フランス
観客動員数:約27万人
売上げ:3億6900万円
⇒⇒※単一映画館における興行成績はこの作品が過去最高。(2021年現在)
原題…Nuovo Cinema Paradiso
【スタッフ】
監督・脚本…ジョゼッペ・トルナトーレ
音楽…エンニオ・モリコーネ
映画『ニュー・シネマ・パラダイス』 あらすじ
ローマで映画監督をするサルヴァトーレは突然の母からの電話で、故郷で小さい頃から親しくしていたアルフレードが亡くなったことを知らされ、ベッド上で昔のことを思い出します。
当時父が戦争に行ったまま消息不明になっている中で、サルヴァトーレは広場にある教会を兼用した小さな映画館「シネマパラダイス」で映画に魅了されていました。イタリアのシチリア島の僻地の住人たちは外界から隔絶され、唯一の外との窓口が映画だったのです。
何度も映写室に潜り込むサルヴァトーレは、映写技師のアルフレードに怒られながらも映画への想いは強くなる一方。アルフレードもいつしか親近感を持ち、いつのまにか映写機の使い方まで見て覚えてしまった彼を次第にかわいがるようになりました。
するとある日アルフレードと映写室で一緒にいると、映写機が火を噴き映画館「シネマパラダイス」は全焼してしまいます。映画フィルムが焼けるのを消そうと必死になるアルフレードは足に火がつき大やけどを負い、視力を失ってしまうのでした。
村全体が唯一の娯楽を失い沈んでいると、サッカーくじを当てた男が映画館を復活させようと、教会とは別に新しい映画館「ニューシネマパラダイス」として、映画館を立て直すことを決めました。
アルフレードの代役として映写機を使える人物がサルヴァトーレのみだったため、子供ながらに映写技師として仕事を与えられたサルヴァトーレ。体調が落ち着いたアルフレードも時々遊びにやってきて、映画に思い切り触れる毎日に。
サルヴァトーレは青年となり、自分でもムービーを撮り始め街で見かけた美少女エレナを撮影し始めます。彼女とコミュニケーションをとるうちに、恋心が芽生えていくのでした。困難の末見事付き合うことができると、楽しい時間を毎日ふたりで過ごすようになりました。
しかしサルヴァトーレのところへ徴兵のタイミングがやってきます。除隊してみると……。
映画『ニュー・シネマ・パラダイス』 キャスト紹介
サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(少年期)…サルヴァトーレ・カシオ
映画に魅せられた少年です。父は戦争に行き、母と妹と暮らしています。映写技師の仕事を見て覚えてしまい、アルフレードの後を継ぎ、「ニューシネマパラダイス」で映写技師を子供ながら任され、家計を助けます。
サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(青年期)…マルコ・レオナルディ
「ニューシネマパラダイス」で映写技師しつつ、自分でもムービーを撮り始めます。
サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(中年期)…ジャック・ぺラン
ローマで成功した映画監督で、いまだに独身です。
アルフレード…フィリップ・ノワレ
映画館「シネマパラダイス」映写技師です。幼い頃からこの仕事をしています。
エレナ(若年期)…アニェーゼ・ナーノ
サルヴァトーレが好きになった女性です。
映画『ニュー・シネマ・パラダイス』感想(評価)
30年ぶりに故郷に帰ったサルヴァトーレの眼差しには、あたかも自分がその場所にいて実際に経験しているかのような気持ちにさせられました。昔の思い出が鮮明に今も温かく残っているあの「ニューシネマパラダイス」は、本当に懐かしく見えました。
映画を観ていて、ここまで郷愁をともに感じられたものは初めてです。30年という時が過ぎて古くなってもそこにありありと生命と今を感じることのできる、全ての演出に圧倒されてしまいます。
なんといっても登場人物の対象物を見ている目が、どの役者もみんな素晴らしい。受け芝居で心を完全にやられてしまい、それぞれの登場人物がこの映画館にそれぞれの想いを持っていたことが伝わって、その映画愛にも胸が熱くなりました。
少年時代のサルヴァトーレのあのわんぱくぶりと、キラキラした目で映画を観る映画熱はとても印象的でした。アルフレードはサルヴァトーレの亡き父に代わる、心の父だったのかも知れませんね。
アルフレードの意を理解し彼亡きあともその想いを汲んだ、サルヴァトーレの母の言葉がけもさすがでした。
映画『ニュー・シネマ・パラダイス』 まとめ
映画館という場所、そして映画と故郷への愛を体感することのできる作品でした。
今だからこそ観たい映画のひとつかもしれません。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。