イギリスの田舎町ブライの古いお屋敷にまつわるアメリカ人の世話係と両親を亡くした子供たちを中心とした物語。超自然的ホラーにラブロマンスを組み合わせた作品となっています。
失意のなか単身イギリスへ渡り、古いお屋敷での新しい生活を始めた世話係のダニが次第に戦慄の恐怖へと巻き込まれていきます。
【第7話】あらすじ・キャスト・感想を紹介します。
↓↓海外ドラマ『ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー 第6話』あらすじ・キャスト紹介・感想はコチラ↓↓
目次
「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」前回までは…
Netflix全9話
放送期間:2020.10.09 Netflixにて配信スタート
原案・制作:マイク・フラナガン
ホラー映画「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」(前作)
「オキャラス/怨霊鏡」「ドクター・スリープ」
原作:ヘンリー・ジェイムズ「ねじの回転」
【第7話】「2つの顔 後編」
第6話では生前兄ドミニクから絶縁された弟ヘンリーが、直後に兄ドミニクとシャーロット夫妻を飛行機事故で失ったことがきっかけで、自分もまた「生き地獄」のような記憶世界の中に自らを閉じ込め「生ける屍」と化して贖罪の人生を選んだのでした。
そしてピーター・レベッカの霊に強く影響を受け翻弄されるマイルズとフローラ。いずれも「記憶の世界」に閉じ込められるという無限ループ。マイルズとフローラの場合、大人の勝手な事情に巻き込まれてしまった感が否めません。
一方フローラの寝室で偶然レベッカの霊に出くわしたダニ。ラストはフローラに誘導され、背後からマイルズの一撃を受けてしまいます。どうやらダニにも2人の霊による影響が及んできそうですが…。
ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー【第7話】キャスト紹介
【世話係:ダニ・クレイトン役】ヴィクトリア・ぺドレッティ
【前任の世話係:レベッカ・ジェセル役】タヒラ・シャリフ
【ヘンリーの執事:ピーター・クイント役】オリヴァー・ジャクソン・コーエン
【兄マイルズ・ウィングレイブ役】ベンジャミン・エヴァン・エインズワース
【妹フローラ・ウィングレイブ役】アメリエ・ビー・スミス
【叔父ヘンリー・ウィングレイブ卿役】ヘンリー・トーマス
【庭師:ジェイミー役】アメリア・イブ
【家政婦:ハナ・グロース役】タニア・ミラー
【料理人:オーウェン・シャルマ役】ラウール・コーリ
【ストーリーテラー】カーラ・グギノ
ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー【第7話】あらすじ(ネタバレ)
きっかけは「孤独感」と「閉じ込められる」ことを嫌う者たちがある計画に取り憑かれたことだった。
《捕われのダニ》
マイルズとフローラの心配そうな声が聞こえてくる。「閉じ込められていたの、どこに行っていたの?」とフローラがダニに声をかける。口を塞がれ後ろ手に縛られたダニは「お願い、やめて」と声にならない叫びを繰り返した。
マイルズが「声を聴かせてあげれば落ち着くはずだよ」と。フローラも「お願い、怖がってるから」と誰かに向って懇願する。すると奥から姿を現したのは、ピーターとレベッカの霊だった。
「こんなの間違いだ」と不満顔のマイルズにピーターは「人生ってのは時に正義と悪が逆さに見えるものさ。今の状況は単に大人と子供の視野の違いというだけだ。覚えてるか?寄宿学校で命を奪った鳥のことを。胸は痛むが、フローラを守るために必要なことをして良かったと今なら分かるだろ?」と言い含める。マイルズは「これは違うよ」と拒むも「確かに状況は違う、だが間違ってない」と応酬するピーター。何も悪くないし怖がる必要もないと重ねるピーターにフローラが「せめて(ダニ先生が)気持ち良い所に閉じ込められた後に実行してあげたら?」と切に願う。
「夢を散歩するには練習が必要だし、そう単純にいかない」と説く最中にレベッカだけが背後から聞こえてくる「ハナの声」を気にしている。
《離脱》
ハナの「とても高価なもの」と言う声がレベッカにこだまする。すると声に引き寄せられるようにレベッカの姿が消えた(離脱)。
ピーターは「まぁいいさ。レベッカは暫く夢を歩いたらまた戻る。大事なのは厄介のタネになりそうなダニが助かる道を探すと同時に夢を散歩する方法を教えてあげることだ。2人でやってくれるかい?」とマイルズとフローラを説き伏せた。
すると今度はピーターだけにドアを叩く音が聞こえてくる。ピーターにも離脱が始まった。「一度離脱してしまうといつ戻るか分からない」とフローラは困惑するばかりだった。
《ピーター・クイント》
ピーターも両親からの愛情に恵まれなかったようだ。記憶のループに現れるのはいつも同じ場面。ふいに母親が押しかけドアを叩くところから始まる。どうやら心を病み入退院を繰り返す母親は夫にも頼れず、未成年の頃犯罪歴ある息子ピーターに毒づくことで憂さ晴らしをするかのようだ。
《レベッカ・ジェセル》
レベッカもまた記憶のループに囚われていた。ヘンリー卿の大金を横領した容疑者ピーターの行方を追う警官から事情聴取を受けるレベッカ。ハナからも責められ返答に困るレベッカだったが、ピーターが逃亡したとは思えなかった。
その様子を見ていたマイルズは「ピーターは逃げてない。ずっと屋敷にいる」と伝えるが、レベッカはにわかに信じがたい。
ジェイミーからも「良い機会だろ。本来の夢だった法廷弁護士を目指したらいいさ」と背中を押される。
《ピーターの正体》
ついにレベッカの前にピーターが姿を現す。共犯者にされたとなじるレベッカに「君と居られない理由はこれだけ」と告げて2人の手を合わせようとする。そしてピーターの手はレベッカをすり抜けるのだった。
ピーターの存在感を確認したレベッカは2人で夢見たアメリカ行きを忘れられない。旧館でピーターに夢の続きを迫るも、無理だと突き飛ばされた。次の瞬間、ピーターはレベッカに入れ替わっていた。同時にレベッカは別の記憶へ飛び、一瞬で2人は別々に離れた。
《同じ記憶》
ピーターはまた同じ記憶へ戻る。母親がドアを叩くシーンだ。
《囚われの日々》
ピーターがレベッカの身体を借りて2人同時に敷地の外へ出ようと試みるが、跳ね返されるのだった。孤独や閉塞感を嫌うレベッカの気持ちは、次第に2人で一緒にいることへ傾いていった。
《アナタでワタシ》
ピーターはレベッカに「永遠に一緒になる方法」を伝える。レベッカは「アナタでワタシなのね。一つになって何もかも対等に分け合うのよね」と受け入れる。
ピーターは孤独にウンザリしていた。一つになったレベッカの身体は湖の中へと向かっていった。翌朝レベッカは湖面に浮かぶ自分の姿を見て泣き叫ぶのだった。
第一発見者はフローラだった。
《無限ループ》
ピーターはレベッカを「2人の夜」の記憶に閉じ込めたのだ。激しく責め立てるレベッカに「すまない、だがこうするしかなかった」と詫びるしかなかった。
次の瞬間、ピーターはまた母親が訪ねて来る記憶に閉じ込められた。
《2人で1人》
フローラが拘束されたダニを解こうとしている。そこへピーターが戻って来た。「子供たち2人の良心につけ込むな」とダニを責めて解放しない。レベッカも戻って来る。
「今やるしかない」と急ぐピーターだが、なかなか先に進めない。マイルズとフローラには見返りに「両親と共に暮らす永遠のお家」の記憶を約束しているようだ。
やがてピーターとマイルズは「君と俺で一つ」フローラもレベッカに「一つね」と言うと2人ともその場に倒れた。
ピーターに入れ替わったマイルズがレベッカになったフローラに「知られた以上ダニを始末する。見張っておけ」と言い残し、ハナの呼ぶ方へ向かうのだった。
《哀しみのハナ》
ピーター=マイルズがハナをうまく敷地内の古井戸へおびき寄せる。「いい加減にしろ。下を見て思い知れ」と言われ、古井戸の底を恐る恐る覗くハナ。ハナはまたオーウェンとの面接時の記憶へ閉じ込められた。
《逃げるしかない》
レベッカとフローラはひと芝居打っていた。レベッカはダニへ「フローラを連れてこの屋敷から出来るだけ遠くへ逃げて」と託した。
急ぎフローラを連れ屋敷の外へ逃げるダニだが、フローラは抵抗する。突然「顔のない女性幽霊」がダニの首を掴むと引きずり歩くのだった。(第7話完)
ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー【第7話】感想
結局のところピーターってヤツは「女たらし」かつ「人たらし」なんじゃないかと思うわけです。
レベッカにもマイルズ・フローラにも甘い夢を見させておいて、自分に都合いい方向へ着地するのだから。
決め台詞は「約束する」あゝいい言葉だね、まったく。どの口が言ってるのかと責めてやりたくもなります。幼少期の過去体験がトラウマなのも分かります。母親いわく、未成年の頃ずいぶん悪さもしたらしいから。愛情に飢えて「自分の存在を誰かに認めてほしい」の裏返しな行動なのだろうと。
レベッカさんも根本は同じ。父親に自分を認めてもらえず、いつも自分に自信がなかった。努力しても圧倒的な男性社会で認めてもらえず、法廷弁護士貴族と人脈を築こうにも階級社会の壁が立ちはだかる。私はいったいどうしたらいいのかって悩み続けたと思うのです。あゝレベッカさん、あなたは普通に事務弁護士からスタートしていたら、少なくともピーターと出会う確率は小さかったのではないでしょうか。信じて夢見た結末が、ピーターの計画で入水自殺とは残念でなりません。「惚れた身の弱さ」などと軽々しく言えませんが、周りの助言も届かず堕ちていく姿は自分でもさぞ心残りだろうと思います。
ピーターさんの致命的なのはダニへ向けた言葉「子供たちの良心につけ込むな」ってそのセリフ、そっくりそのままお返ししますよピーターさん。でもきっと計算のうちなのでしょう。マイルズやフローラの純粋無垢な気持ちを逆手にとって、自分を可哀想だから助けろとマイルズを乗っ取るなんて恐ろしすぎです。
ブライのお屋敷で最大級「ホラー」なのはピーターの存在感そのものではないかと思ってしまった…。
一方でダニ先生。損な役回りではありませんか。子供想いで責任感も強く、周りからの信頼もあったのに…。目撃者として拘束され、理由もわからず恐怖を味わいラストは「顔のない女性幽霊」に引きずられるなんて悲劇です。今やダントツの被害者となりました。
つまりピーターは「ろくでなし」だと言いたいわけです。
最後に(まとめ)
第7話はいかがでしたでしょうか。
ラストは主人公ダニが、「顔のない女性幽霊」に捕えられてしまいました。果たしてダニは無事でいられるのでしょうか?ピーターの時とは違う結末であってほしいと祈ります。終盤に向けての展開がますます気になります。
それではまた第8話でお会いしましょう!