「聲の形」あらすじ
読者アンケートで1位を獲得した人気漫画がアニメーション映画となりました。
主人公の男の子石田は、クラスの中心でガキ大将タイプです。
そんな石田のクラスにある日転校生がやってきました。
それが先天性の聴覚障害をもつ女の子西宮さんでした。
クラスのみんなは物珍しさからか最初は西宮さんに興味をもちますが、聴覚障害によってスムーズに会話ができなかったり、テンポが遅れてしまうことで徐々にクラスの子たちからいじめを受けるようになってしまいます。
そんなクラスの西宮さんに対するいじめの筆頭に立っていたのが石田でした。
次第に石田を中心に西宮さんに対する嫌がらせはエスカレートしていき、クラス全体でのいじめへと発展してしまいます。
石田は西宮さんの筆談ノートを学校の噴水に投げ込んでびちょびちょにさせたり、高価な補聴器を壊して直接耳にまで怪我を負わせるようなとてもひどい内容でした。
この問題を先生が取り上げたときにみんなの視線は石田に向けられます。
みんな見て見ぬふりをして一緒に西宮さんを追いやっていたのに石田だけが責められるようになりました。
ガキ大将としてクラスの中心にいた石田もこの日を境にクラスで孤立をしてしまいます。
そして同じようにいじめを受けるようになるのです。
お互いに一人ぼっちになった石田と西宮さんですが二人は中々分かり合うことができずにぶつかります。
それから5年後のことです。
高校生になった石田はいじめられて以来、人間不信になりクラスメイトの顔も見ることができずに一人孤独に塞ぎ込んでいました。
自己嫌悪に陥っていた石田は、ずっと心の中に引っ掛かっていた西宮さんに対する謝罪をして自殺をしようと心に決めていたのです。
西宮さんの通うろう学校に出向いて久しぶりに二人は再会します。
石田は覚えた手話で西宮さんとコミュニケーションをとり、筆談ノートを返しました。
しかし、そのとき何を思ったのか石田は西宮さんに対して友達になってほしい、と口走ってしまうのです。
いじめていた側といじめられていた側の二人が時間を経て再開したときに人はどんな感情を抱き、これからの人生を歩んでいくのでしょうか。
「聲の形」キャスト紹介
声ー入野自由(石田将也役)
本作の主人公。
小学生の時はクラスに一人はいるガキ大将タイプ。
声ー早見沙織(西宮硝子役)
本作のもう一人の主人公。
先天性聴覚障害をもつ女の子。
「聲の形」感想
誰もが幼い頃に体験した記憶があるのではないでしょうか。
いじめたこと、いじめられたこと。
映画を観ていて走馬灯のように幼い頃の苦い思い出が蘇りました。
大人になってからはそんなこと忘れていましたがなにかとても大切なことに気付かせてくれたような気がしました。
人の本性とか気持ちってなぜこんなに難しいのでしょうか。
なんだかとても考えさせられました。
人間は生物の中でも感情をもつ唯一無二の存在です。
だからこそ難しいのかもしれません。
表面的に人と付き合っていくことはできますが本音をぶつけることはお互いにとって難しいのです。
高校にあがってからの石田は心も体も成長していてとても魅力的な人になっていました。
でもこれがいじめられた人間にしかこのようにはなれない、と思ってしまいました。
人から受けた痛みを知っている人間の優しさを感じました。
クラスメイトのキャラクターも自分自身と重ね合わせられるような子たちで自分のことのようにこの作品を観ることができました。
昔のことを思い出して少し儚くて切ない気持ちになりましたが、心のあったまるシーンも多かったです。
二人がお互いに感情をそのままぶつけ合う姿にはとても感動しました。
そしてそれを乗り越えた二人の姿に心温まりました。
この映画を通して一番に感じたことは、人と人が本当の想いを相手に伝えることはとても難しいということです。
「聲の形」評価
いじめをテーマにしていることからも賛否両論と別れていますが、公開されてから大きな反響を呼んだ映画です。
公開館数が120館と限られた中でも驚異的な興行収入と動員数を記録しました。
「聲」という題名からしても作者のこの作品に対する思いがとても伝わってきます。
この漢字には「声と手と耳」が入っています。
気持ちを伝える方法は声だけではない、という意味が込められているそうです。
ストーリー展開も視聴者が気になるところから徐々に紐解いてくれるのでとても見やすい作品でした。
登場するクラスメイトのキャラクターもそれぞれかなりしっかりと性格が確立されていてアニメーションを見ているというよりはドキュメンタリーを見ているようなそんな感覚になりました。
大人になってから考えることのなくなった人と人との大切なものをきちんと教えてくれました。
そして気づかせてくれるそんな作品です。
最後に
幼い頃にみんなが学んできた、なにか大切なことに気付かせてくれます。
大人になった今だからこそ見て頂きたい作品です。
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