家族愛を描いた、心温まる短編アニメーション映画です。喪失感の中で大好きなことにも手をつけられなくなってしまった老人を、救ったきっかけがここにありました。
2021年アカデミー賞短編アニメーションにノミネートした作品。
映画『Canvas』のあらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。
映画『Canvas』概要
配信開始:2020年12月11日
上映時間:9分
Netflixオリジナル作品です。
【スタッフ】
監督・脚本…フランク・E・アブニー3世
映画『Canvas』あらすじ
最愛の妻を亡くした老人は、ダブルベッドの上でひとりで目を覚まします。いつも隣に寝ていたはずの妻はもういないのです。
その日は老人を心配した娘が孫を連れてやってきて、老人は自身の車いすで孫を出迎えにいきました。一日を祖父である老人と過ごす孫。彼女は祖父のために絵をかき、一緒に描こうと誘いますが、まだそんな気持ちになれないという祖父の様子に心配は募ります。
夜になって一度娘が孫を迎えに来ましたが、翌日も娘に連れられて遊びに来た孫。
昨日の続きを描こうとすると椅子に座ろうとすると、テーブルの上のペンが転がっていってしまいました。追いかけていくとそれはクローゼットの方へ。そこは祖父が近寄らないようにしていたのを前から感じていましたが、ペンを探すため覗き込むとなんとドアがあったのです。
そっとそのドアを開いてみると、そこは祖父のペインティングルームでした。そしてそこには一枚の絵が。そのキャンバスに描かれていたものは。
映画『Canvas』感想(評価)
きっと誰にもできなかった老人の心の扉を、孫は開くことができたのかもしれませんね。その心の扉はまさにペインティングルームのドアでした。
自分でも開いてしまわないように老人はたくさんの洋服をかけて開かないようにしながら、悲しみに蓋をすることで、何とか妻のいない時間を過ごすことができていたのだと思いました。だからこそ孫がそこへ入って、しかも大事な一枚の絵を手に取っていたに激怒した。
怒りの根底にはあるのは悲しみです。それを孫によって表に出され、さらにその孫はおじいちゃんが手をかざした絵の表面に家から手を乗せ、ちゃんと感じるよう手を添えたのです。
こういうことが本能的か偶発的にか、起きてしまうのがある意味娘ではできなかった孫のパワーなのかもしれません。
孫との交流の中で、再び大好きだった絵を描くためキャンバスに向い、生きることを再スタートすることができて本当に良かったです。
映画『Canvas』まとめ
一度はできなくなってしまった大好きなものも、必ずまたできるようになる。
それは小さくても確かな愛のなせる業でした。愛を失ったものは愛によってのみ救われる。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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