目次
「その住人たちは」あらすじ
ヒューマンドラマでもありミステリー、サスペンスにも当てはまる独特な面白さをもつ映画です。
広告会社の重役を務めていた主人公のハビエルは、順風満帆な生活を送っていました。
大きくて綺麗なお家に妻と子ども、と何不自由なく暮らしていました。
そんなある日、会社をクビになってしまうのです。
仕事を失ったハビエルは、新しい仕事に就こうと懸命に職探しをしますが中々うまくいきません。
しかし、プライドの高いハビエルは妻には再就職に手こずっていることなど言い出せないのです。
妻の前では見栄を張っていました。
そんな中現実問題、経済的にはどんどん苦しくなっていきます。
家に帰っても職のないハビエルは夫としても父親としても段々威厳がなくなってしまいます。
とうとう大切にしてきた家を売ることになってしまいました。
自分が愛してきたお家は次の住民のもとへと渡されたのです。
次にその家に住む家族の順風満帆な生活を目の当たりにして彼の中で何かが動き出すのです。
ずっと良い生活をしてきたハビエルにとっては経験のしたことのない劣等感や敗北感を味わうことになります。
ハビエルとハビエルの家族、また新しく引っ越してきた家族の運命はどのように動いていくのでしょうか。
「その住人たちは」キャスト紹介
ハビエル・グティエレス(ハビエル役)
1971年1月17日
スペインの俳優
この映画では重役を務めていた会社をクビになってしまう男性を演じる
マリオ・カサス(トーマス役)
1986年6月12日
スペインの俳優
この映画では、ハビエルが手放した家の新しい住人を演じる
「その住人たちは」感想
初めてスペイン映画と出会いました。
独特な世界観を感じながらも人間の一番深いところの部分がかなり出ていて非常に興味の沸いた映画でした。
ハビエルの表情や行動は本当に猟奇的なもので後半にいくにつれて恐ろしかったです。
それにハビエルの周りの登場人物の個性の強さにもやられました。
まさかそんなことはしないよね?と最悪な事態を考えていたとしても本当にその最悪なことをするのでびっくりします。
ありえないと想像することを普通にこなしてくるので驚きと恐怖感を順番に味わっていました。
もともと自分の家だからって新しい住民が住むようになったら家に侵入してみようなんて発想でてきませんよね。
それを平然とするので驚きました。
そこからの物語の展開は本当に面白いものでした。
上から景色を見てきた人間が下から景色を見るようになるという意味がよく分かる映画です。
人間のプライドや見栄って本当に恐ろしいものなんですね。
ヒトなら誰しもが持っている感情という底知れないものがこれほどの大きな武器になることを初めていることができた映画です。
ヒューマンドラマは沢山見てきましたが恐怖心で観ている人に訴えかけてくるのは初めての経験でした。
「その住人たちは」評価
展開はほどよく変わっていくのですが淡々とした雰囲気で進んでいくのでどっしりとしたどこかずっと重たい雰囲気で始まりそのまま結末に至ります。
評価するのが中々難しいともいえる作品です。
最初はただのヒューマンドラマだと思って観進めていくのですが後半にかけてのたたみかけかたがすごいです。
アクション映画で得られるようなハラハラドキドキとはまた違ったハラハラドキドキ感を味わえる映画なのです。
最初はこの映画どうやって面白くなっていくのか読めないのですが思っている以上に展開が面白くて目が離せなくなります。
また、主人公の心の中や表情の変化がすごくよくわかるのもこの映画の特徴と言えます。
人間が一度その水準での生活をしてしまうと生活の水準を変えることがどれほど難しいことなのかもよく考えられています。
どんな立場の人が見ても自分自身と少しでも重ね合わせることのできるのでどんな人がみても身近に感じる作品だと思います。
結末に関してもここまできたか、ともうきちんと納得できちゃいました。
最後に
「隣の芝生は青く見える」ということわざの意味がよくわかります。
そして人間のプライドや見栄というものがどれだけ残酷なものなのかこの映画を通して知ることができるのではないでしょうか。
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