富裕な旧友エリオットから、ガン治療について資金援助の申し出を受けたウォルター。しかし、ウォルターは援助を断る。その理由は、ウォルターの昔の恋人で、今はエリオットの妻となっているグレッチェンなのであった…。
一方、ウォルターの妻スカイラーは、ガン治療について親族会議を開こうと提案をする。
この記事では、「ブレイキング・バッド」第5話”ウォルターの選択”の概要、キャスト、あらすじ、ネタバレ、感想をご紹介しています。
↓↓「ブレイキングバッド」第4話のあらすじネタバレ・キャスト・感想はコチラ↓↓
目次
ドラマ「ブレイキング・バッド」の概要
「ブレイキング・バッド」は、アメリカの大人気テレビドラマです。
ストーリーは、「真面目な化学教師が、末期がんを宣告され、家族に財産を残すためにドラッグの製造を始める」というもの。
ケーブルチャンネルAMCによって、2008年から2013年まで放映されました。
「ブレイキング・バッド」は、視聴者と批評家の双方からたいへんな好評を得ました。
視聴者数は、第1シーズン第1話が140万人。第5シーズンでは、全話を200万人以上が視聴しました。最終回の第62話では、1028万人もの人々が視聴しています。
受賞も多く、エミー賞、ゴールデングローブ賞、テレビ批評家協会賞、批評家協会テレビ省、全米監督協会賞、全米脚本家協会賞などを受賞しています。
エミー賞
- 作品賞(ドラマ部門)…2013、2014
- 主演男優賞(ドラマ部門)(ブライアン・クランストン)…2008、2009、2010、2014
- 助演男優賞(ドラマ部門)(アーロン・ポール)…2010、2012、2014
- 助演女優賞(ドラマ部門)(アンナ・ガン)…2013、2014
ゴールデングローブ賞
- 作品賞(テレビ・ドラマ部門)…2014
- 主演男優賞(テレビ・ドラマ部門)(ブライアン・クランストン)…2014
「ブレイキング・バッド(breaking bad)」の意味
この作品のタイトルには、「break bad」という言葉が使われています。
「break」も「bad」も簡単な単語ですが、「break bad」となると、意味がよく分からないという人も少なくないのではないでしょうか。
それもそのはず、「break bad」は、実はアメリカ南部の方言。アメリカ人のなかでも、この言葉は広く知られている訳ではないのだそうです。
「break bad」の意味には、「しきたりに歯向かう」「権力に反抗する」「犯罪をおかす」「大騒ぎをする」「脅威を与える」「攻撃的になる」などがあります。
タイトルを考えた製作総指揮のヴィンス・ギリガンは、「break bad」は「raise hell」だと説明しています。
「raise hell」には、「バカ騒ぎをする」という意味があります。
ドラマ「ブレイキング・バッド」の関連作品、スピンオフ
スピンオフドラマ「ベター・コール・ソウル」
「ベター・コール・ソウル」は、「ブレイキング・バッド」のスピンオフ作品。
主人公は、「ブレイキング・バッド」の第2シーズンで初登場する弁護士ソウル・グッドマン。彼が、悪者になってしまった理由が描かれます。
初回放送は、2015年。2020年12月現在は、第5シーズン第50話まで放映されています。
エミー賞にもノミネートされました。
映画「エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE」
「エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE」では、「ブレイキング・バッド」のエピローグが描かれます。
主人公は、ジェシー・ピンクマンです。
アメリカで3日間だけ劇場公開されました。
Netflixで配信中。
Netflix配信「エルカミーノ ブレイキング・バッド THE MOVIEの舞台裏」
Netflixでは、「エルカミーノ ブレイキング・バッド THE MOVIEの舞台裏」を配信しています。
主演アーロン・ポール、監督ヴィンス・ギリガンなどの製作者が、舞台裏を語ります。特別映像もあります。
全13分。
ドラマ「ブレイキング・バッド」のキャスト紹介
ウォルター・ホワイト/演ブライアン・クランストン
主人公。
真面目な化学教師。高校に勤めている。
演ブライアン・クランストン
アメリカの俳優、声優。
出演作は、「マルコム in the Middle(天才少年 マルコム奮闘記)」など。
「ブレイキング・バッド」での演技が高く評価され、エミー賞主演男優賞などを受賞した。
ジェシー・ピンクマン/演アーロン・ポール
ウォルターの元教え子。
ウォルターとドラッグビジネスでパートナーを組んでいる。
演アーロン・ポール
アメリカの俳優。
「ブレイキング・バッド」で、エミー賞助演男優賞を受賞した。
スカイラー・ホワイト/演アンナ・ガン
ウォルターの妻。
子供を妊娠中。第2話で女の子であることが判明する。
演アンナ・ガン
アメリカの女優。
「ブレイキング・バッド」で、エミー賞助演女優賞を受賞した。
ウォルター・”フリン”・ホワイト・Jr./演 RJ・ミッテ
ウォルターとアンナの息子。
16才の高校生。
障がいがある。
演 RJ・ミッテ
アメリカの俳優。
脳性麻痺を抱えている。
ハンク・シュレイダー/演ディーン・ノリス
麻薬取締局(DEA)のエージェント。
主人公ウォルターの義弟。(主人公ウォルターの妻の妹の夫にあたる。)
演ディーン・ノリス
アメリカの俳優。
「アンダー・ザ・ドーム」などに出演。
「ブレイキング・バッド」第5話のあらすじ、ネタバレ
ウォルターは、学生時代の友人エリオットの誕生パーティに招待される。
エリオットとウォルターは、かつて会社を一緒に興した仲間だった。ウォルターはやがて高校教師になったが、エリオットはそのまま会社を続け、今では大きな成功を手にしていた。
そしてその成功は、実はウォルターのおかげでもあるらしい。
エリオットは、スカイラーからガンの話を聞き、ウォルターに援助を申し出る。
だがウォルターは断りを入れるのだった。
ジェシーは、就職活動をする。
だが、うまくいかない。
偶然再会した友人に、原料を提供するからクスリを作って売ろうと持ち掛けられる。
ジェシーは、彼とともにクスリを作り始める。
しかし、クスリの品質を巡って、ジェシーと友人はケンカになってしまう。
ウォルターの未成年の息子ウォルターJrは、店で酒を手に入れようとして、オフ中の警察官に捕まる。
ウォルターJrは、父親の代わりに義理の叔父ハンクに電話をした。
ウォルターJrがハンクとともに家に戻ると、母スカイラーと叔母マリーが待っていた。
ハンクが、ウォルターJrは以前ハッパもしたと言うと、スカイラーはハッパをしたのはウォルターだと訂正した。
スカイラーは、治療を受けようとしないウォルターについて悩んでいた。
スカイラーは、ウォルターに関して、親族会議を開こうと提案をする。スカイラーは、お互いの心の声に耳を傾けようと言うのだった。
親族会議が開かれた。
スカイラー、ハンク、ウォルターJr、マリーの順に、ウォルターの治療について話した。
スカイラーは、「ウォルターの考えが知りたい。私は、治療を受けてほしい。助けが嫌いなのはわかるけど、富裕な旧友エリオットの資金援助の申し出を受けて、治療をしてほしい。死んでほしくない。」と言う。
ハンクは、「あきらめるな。だが、ウォルターの意思も大切だ。」と話す。
ウォルターJrは、「がっかりだ。父さんは弱虫だ。僕には何て言った?僕だって、杖を使って頑張っているのに、父さんは治療を怖がっている。」と想いを伝えた。
マリーは、「ウォルターの意思を尊重する。治療を受けるのはウォルターだから、本人が考えるべき。私は医療現場で働いている。放射線治療を受けている患者さんたちを毎日見ているから分かる。治療でとても悲惨な想いをする人もいる。患者さんの中には、最後の日々を医者と過ごしたくない人もいる。でも家族の説得で来ている。」と話した。
ウォルターの話す番が来た。
ウォルターは、「私は、自分の人生、ずっと自分で選択をせずに生きてきた。治療のことは、最後の選択だ。自分で選択をしたい。」と前置きをして、こう話した。
「医師は、延命の話しかしない。完治はしないんだ。もっても2年だ。治療をすれば、働くことも、食事を楽しむことも、妻を抱くこともできない。残された時間は、家で過ごしたい。自分のベッドで寝たい。毎日30種類以上の薬を飲み、髪を失うのはごめんだ。そのうち動けなくなり、トイレにも行けなくなる。耐えられない。それは死んだも同然だ。ただ息があるだけ。そんなのが最後の姿だなんて、最悪だ。だから、治療は受けない。」
ウォルターは、治療を断った。
朝。
ウォルターは、スカイラーを抱きしめる。
ウォルターは、治療を受けると話すのだった。
ウォルターとスカイラー、ウォルターJrは病院を訪れる。
ウォルターは、ガンの治療を開始する。
車に乗っていたウォルターに突然電話がかかって来る。
電話の主は、エリオットの妻グレッチェンであった。
グレッチェンは、「治療費を受け取ってほしい。受け取らないのは、私のせい?」と尋ねる。
ウォルターは、ジェシーのもとを訪れる。
苦しそうな顔をしながら、ウォルターは、「作るか?」と聞くのだった。
「ブレイキング・バッド」第5話の感想
前回に引き続き、ウォルターの感情がよく分からなかった。
ウォルターが治療に非積極的な理由が判然としない。
(私に読み取り能力がないせいだと思うが…)
ウォルターは、親族の前で、「治療を受けたら、働いたり、妻を抱いたりできない。最後の時を家で過ごしたい。治療は受けない。」と言った。
治療を受けない理由を、ウォルターはそのように説明した。
そういう感情もウォルターのなかにはあるだろう。
しかし、治療を受けない本当の理由は、他にあるように感じた。
ウォルターの説明は、どこか説得力に欠けるような気がする。
普通はもう少し治療に積極的になるものではないのだろうか。
そのあたりは、人にもよるだろうとは思うが…。
費用が工面できないからだろうか。
知り合いからの資金援助は受けたくないし、自分たちで用意することは難しい。無理に家計から捻出したとしても家族に借金を残してしまう。
それが、理由かもしれない。
あるいは、お金が必要になるとまた自分がドラッグ製造に進みそうだから、嫌なのかもしれない。
ドラッグ製造で、ウォルターは、大変な目に遭った。人殺しをすることになってしまった。
ウォルターは、もう、ドラッグ製造をしたくはないだろう。
なのに、治療でお金が必要になると、またドラッグをつくろうとしてしまいそうだ。
だから、嫌なのではなかろうか。
仮にお金が家に豊富にあったとしたら、ウォルターは治療に積極的になっただろうか?
よく分からない。
ウォルターは、生き延びることをあきらめているようにも見える。少なくとも、治癒の可能性を信じて治療をしていこう、という感じには見えない。
いや、本当は生き延びたいに違いない。
でも、あきらめざるを得ないのかもしれない。
あるいは、病を受け入れ始めているのかもしれない。
分からない。
なぜウォルターは、こんなに治療に非積極的なのだろう。
自分を守るためとはいえ、人殺しを犯してしまったからだろうか?
人殺しをしたことから、自分は生きるべきではないと無意識的に感じているのだろうか?
そういうケースもあるかも知れないが、ウォルターの場合はそうではないように思える。
最後に結局、ウォルターは治療を受けるとスカイラーに話す。
治療を受ける理由は、スカイラーがそう望んだからのように見えた。
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