今回は2019年に公開された韓国映画『完璧な他人』をご紹介します。
この作品は、2016年のイタリア映画『おとなの事情』をリメイクしたものです。
『おとなの事情』は、実に世界18か国でリメイクされるほど高く評価されているブラックコメディー映画で、2021年1月には日本でもリメイク・公開されています。
『完璧な他人』のキャスト
テス : ユ・へジン
スヒョン : ヨム・ジョンア
ソクホ : チョ・ジヌン
イェジン : キム・ジス
ジュンモ : イ・ソジン
セギョン : ソン・ハユン
ヨンべ : ユン・ギョンホ
『完璧な他人』のあらすじ
開業医のソクホ(チョ・ジヌン)と、その妻で医者のイェジン(キム・ジス)は、この日新居に夫の幼なじみ夫婦を招き、久しぶりに楽しもうと準備をしていました。
しばらくすると、弁護士のテス(ユ・へジン)と、その妻で専業主婦のスヒョン(ヨム・ジョンア)、そしてレストラン経営のジュンモ(イ・ソジン)と、その妻で獣医のセギョン(ソン・ハユン)がやって来ます。家の中を案内したイェジンは、高額な設備や家具などを自慢気に見せるのですが、そんな金持ち夫人の暮らしぶりを、スヒョンは内心やっかんでいました。
少し遅れて、バツイチ独身男の元教師・ヨンべ(ユン・ギョンホ)が訪ねて来ます。この日ヨンべは新しい恋人を連れて来る予定でしたが、恋人が風邪をひいて熱を出してしまったため、急きょ一人での参加になりました。
”月食”のこの日、ワインと料理を楽しみながら、しばらく和やかに会話する7人。そして、浮気がメールで発覚した友人の話題で盛り上がると、イェジンが奇妙な提案をします。「夫婦の間に隠し事はない」と証明するために、それぞれのスマホに届いたメールや着信を、全員に公開するゲームをしようと言うのです。
結局このゲームに全員が参加するのですが、その結果、それぞれの知られざる秘密が明らかになり、友情・愛情が崩壊の危機にさらされていくことになるのです。誤解、本音、衝撃の真実…。果たして7人は、お互いの”素顔”を許し合うことができるのでしょうか?
『完璧な他人』の見どころ
この映画の見どころは、それぞれの秘密です。
浮気、借金、犯罪、トランスジェンダーの問題など、それぞれが抱えている秘密が暴露されたり、誤解をされたりと、“修羅場”がコミカルに描かれています。自分の秘密を守るために、嘘を重ねて墓穴を掘るような展開もありました。
大爆笑ではなく、見ていて思わず「クスっ」と静かな笑いがこみ上げる。そんな場面がいくつもありますので、字幕から目を離さずに集中して見ることをお勧めします。
『完璧な他人』の感想
この作品は、基本本家イタリアの『おとなの事情』と同じ内容です。ざっくりストーリーを楽しみたいのであれば、イタリア版でも、韓国版でも、どちらか一つ視聴すれば十分だと思います。
個人的にはイタリア版を視聴したことがあったので、この韓国版で更に深く楽しめたと感じています。例えば韓国らしいと思ったのが、冒頭に幼なじみの少年たちが一緒に遊ぶ場面を描いています。その背景があって、大人になった現在を描いているという演出でしたね。更に、それぞれの事情背景や伏線が、韓国版の方が細やかなので、その分イタリア版より作品時間が長くなっていることも特徴です。
また、登場人物の職業設定が微妙に違ったり、お国柄の違いを感じさせるのが、趣味の違い、表現方法の違いでした。例えば友人共通の趣味がイタリア版では「サッカー」ですが、韓国版では「ゴルフ」。男女の違いをイタリア版では「windowsとMAC」と比喩で表現していますが、韓国版では、「アンドロイドと、iPhone」になっていて、そのニュアンスの違いが面白いと感じました。
『完璧な他人』のまとめ
今回は韓国映画『完璧な他人』をご紹介しました。
誰しも人に知られたくない“自分の素顔”を持っている。それが友人であれ夫婦であれ、「知らない方が幸せなのでは?」と、思ってしまったコメディー映画でした。
既に公開されている日本版は東山則之さん、鈴木保奈美さん、常盤貴子さんと豪華キャストなので、こちらも今後の配信に期待が高まりますね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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