心臓に基礎疾患のある高齢のユダヤ人女性と孤児の、心の交流を描いた人間ドラマです。
昔ホロコーストを生き延びた女性の最後の願いを叶えたのは、ひとりの少年だった。孤独なふたりが寄りそう感動のストーリ。
映画『これからの人生』あらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。
映画『これからの人生』概要
公開日:2020年11月6日
上映時間:95分
【スタッフ】
監督…エドアルド・ポンティ
製作国…イタリア
映画『これからの人生』あらすじ
イタリアで親と離れ離れになってしまった訳ありの子供たちの世話をしているマダム・ローザは、知り合いの医者に頼まれて、両親が離婚し母を亡くして身寄りが無くなった12歳の黒人の少年モモを面倒見ることになりました。
モモとの最初の出会いが、買ったばかりの高価なキャンドルスタンドをひったくられたことだったことから、ローザはモモを警戒。もともと周りに心を開かず拗ねていたモモも、初めはローザを警戒していたが、ともに暮らすうちに徐々に心を許すようになっていくのでした。
そんなある日、ローザはボーっと我を失うことが目立つようになってきました。異変に気付いたモモはローザのそばに行き、彼女にそっと寄り添います。
するとローザはモモに自分の亡くなった両親との思い出や、過去にホロコーストを経験していること、だからこそ死ぬときはどうしても自宅で死にたいということを打ち明け、ローザの最期は自宅で迎えることを、ふたりは約束するのでした。
とうとうその時がやってきて、救急車で病院に搬送されるローザ。次に彼女に会った時、モモのことがわからなくなっている状態でしたが、モモは約束を果たすため、こっそりローザを自宅に連れていき、彼女の望んだ最期を一緒に抱き合って向かえるのでした。
映画『これからの人生』キャスト紹介
マダム・ローザ…ソフィア・ローレン
自宅で行き場のない子供たちの世話をするホロコースト経験者のユダヤ人女性です。
モモ…イブラヒマ・グエイェ
両親が離婚、その後すぐに母親を亡くしてしまった孤児です。ひったくりや薬の売人などをする非行少年でもありました。
ローラ…アブリル・サモラ
売春婦でローザのもとによく来ている女性です。
ハミル…ババク・カミリ
ローザの友人の商店の店主です。この店でモモをアルバイトさせます。
映画『これからの人生』感想(評価)
ローザとモモの関係がどんどん深まり、弱っていくローザをモモが支える姿は、実にたくましく学ぶことだらけでした。
もともと頭が良く愛情深いモモは、大人たちの都合のよさにまるで馬鹿にした態度をとって反発していましたが、コーエン医師の言った通り、ローザとの出会いによってモモの人間力が開花しました。
あなたはタフで強い子だからと、ローザがモモを頼りにしたのは、ローザがいろんな記憶が無くなってしまったときの彼の行動によって証明されました。
今がどうなっていようと、悲しみに暮れるよりも先にローザとの約束・本来の願いを叶えるために、自分の余計なものは全て捨て綺麗な自分になって誠実に、素早く確実に行動する。年齢は関係なく、モモのこの動きが全てだと思いました。
ただ祈るだけでなく、動くこと。そこで見えたものに従って、約束を果たすこと。小さな彼がとても大きなことを教えてくれました。
そして最後にローザがモモに言った言葉は、モモが一番言ってほしかった言葉。そのあとの描写の全てに涙が止まらなくなってしまい号泣でした。
大人でも迷い言い訳をするところを、この小さなモモは迷わず言い訳をしなかった。言い訳をしないで、決めたことを誠実に行動にすぐに移す。
この映画に出会えて本当に良かったです。
映画『これからの人生』まとめ
あらゆることで動けなくなっている人たちに、今必要なこと教えてくれるような作品でした。
これからの人生、もう一度自分の中の芯を捉えて、忘れそうになっても何度でも捉えなおして強く生きていく少年の姿に勇気をもらえました。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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