人種間に根深く存在するディスコミュニケーションを描いたドラマ映画。黒人文化に対して心から敬意をはらった作品になっています。
数々のアカデミー賞にノミネートされ、チャドウィック・ボーズマンの遺作ともなりました。
映画『マ・レイニーのブラックボトム』あらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。
目次
映画『マ・レイニーのブラックボトム』概要
公開:2020年12月18日
上映時間:94分
原題…Ma Rainey’s Black Bottom
【スタッフ】
監督…ジョージ・C・ウルフ
原作…オーガスト・ウィルソン (戯曲「Ma Rainey’s Black Bottom」)
配給…Netflix
映画『マ・レイニーのブラックボトム』あらすじ
1927年のシカゴ、ブルースの母と言われた伝説の歌手マ・レイニーのバックバンドとして所属する4人組の黒人グループは、彼女と舞台をともにしこなしていきます。
バンドメンバーのひとりで野心家のレヴィ―は、その才能を認めてもらおうと、自分のアレンジや作った曲を受け入れてもらうために必死になっていました。
その才能の吐き出し方を間違え目立とうとしているように映る彼の姿に、マ・レイニーもメンバーも苛立ちを感じていたのです。
スタジオでの収録の日、1時間も遅刻してくる上横柄な態度を取りわがまま放題のマ・レイニーに、スタジオ側は内心大激怒。しかし実はマ・レイニーにも、そしてレヴィ―にも、同じ仲間でもわからなかったある想いがそれぞれあったのです。
その想いは言葉にしても周りには伝わりません。
そしてついに思ってもみない、あってはならない出来事が起きてしまうのです。
映画『マ・レイニーのブラックボトム』キャスト紹介
マ・レイニー…ヴィオラ・デイヴィス
ブルースの母、伝説の歌手です。
レヴィ―…チャドウィック・ボーズマン
マ・レイニーのバックバンドのひとりで、野心家の32歳です。
トレド…グリン・ターマン
マ・レイニーのバックバンドのひとりです。
映画『マ・レイニーのブラックボトム』感想(評価)
どんなに態度に示しても、言葉で伝えようとしても、相手に届かない想いがあることに悲しさを痛感させる物語でした。その想いは我慢して自分の中に隠しておけばおくほど腐敗して、取り返しのつかないことになってしまう。あまりにもつらい事実です。
日本人にとってこの黒人差別の問題は、頭ではわかっていたとしても実感として捉えて心で分かっている人は、本当の意味では少ないと思います。わかったふりをしては決していけない事実だからこそ、こうして作品としてみることができてよかったです。
神に対しての想いを必死に伝えあっているシーンは、非常に心打たれました。改めていろんなことを考えさせられます。
この作品の撮影後にチャドウィック・ボーズマンが亡くなってしまったというのも、驚きを隠せませんでした。
彼の役者人生を振り返った、「チャドウィック・ボーズマン あるひとりの表現者」というショートムービーがNetflixの中にはあるので、そちらも合わせて観ていただきたいです。
映画『マ・レイニーのブラックボトム』まとめ
人の生き方について考えさせられる作品でした。どんな状況になっても必死で生きていく彼らの姿には痛いほど心を打たれます。
綺麗ごとにはしない、社会的にもメッセージ性の強い物語です。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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