映画『男はつらいよ 寅次郎と殿様』あらすじ・キャスト・感想(評価)・まとめ

映画

 下町人情喜劇『男はつらいよ』シリーズ第19作。

 これまで話すことすらなかった義父と嫁とが、同じ哀しみを抱えて心を通わせるようになるのを、温かく見守り寄り添う姿を描いた作品になっています。

 映画『男はつらいよ 寅次郎と殿様』のあらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。

映画『男はつらいよ 寅次郎と殿様』概要

公開日:1977年7月7日

上映時間:99分

配給:松竹

観客動員数:140万2000人 (前作は172万6000人) 

配給収入:8億4900万円 (前作は10億8600万円)

 

ロケ地…大洲(愛媛県)

 

【スタッフ】

監督・原作…山田洋次

脚本…山田洋次、朝間義隆

撮影…高羽哲夫

音楽…山本直純

美術…出川三男

映画『男はつらいよ 寅次郎と殿様』あらすじ

 端午の節句間近の頃、寅次郎は満男のためにこいのぼりを買って柴又に帰ると、寅次郎が持ってきたおもちゃのこいのぼりとはまるで違う、本物の大きなこいのぼりを庭に上げていたにも関わらず、調子を合わせるとらやの人々に腹を立ててしまいます。

 さらに飼い始めた犬の名前を「トラ」と名付けていることに気付き、再び旅に出てしまいます。

 そんな旅先の大洲で知り合ったのが何か訳がありそうな美しい女性。そして寅次郎が落としてしまった500円札を拾った大洲の殿様・藤堂久宗でした。

 殿様であることを知らない寅次郎でしたが、お金を拾ってもらったお礼にラムネとあんぱんを渡すと、家で食事をご馳走したいからついてくるようにと言われ、半ば強引に屋敷へ連れていかれました。

 すると久宗は寅次郎の飾らない温かい人柄を気に入り、そこであるお願いをするのです。

映画『男はつらいよ 寅次郎と殿様』キャスト紹介

車寅次郎…渥美清

 14歳の時に父親(今は他界している)とケンカ別れして家を出てから、20年間故郷に帰らずに旅に出ていましたが、第1作目で帰ってきて以来、旅に出たり帰って来たりを頻繁に繰り返すようになりました。異母兄弟の妹さくらがいます。家業はテキヤ。

 

諏訪さくら…倍賞千恵子

 寅次郎の異母兄弟です。博と息子の満男と3人で暮らしています。

 

堤鞠子…真野響子 《マドンナ》

 夫の実家で反対されながらも結婚したものの、夫を亡くしてしまった女性です。夫亡き後、義父から残された家族として一緒に住もうと、寅次郎を通じて持ち掛けられます。寅次郎とは夫の墓参りの際に出会いました。

 

御前様…笠智衆

 柴又帝釈天のご住職です。

 

車竜造(おいちゃん)…下条正巳

 寅次郎の父親の弟です。寅次郎とさくらにとっては、叔父にあたります。さくらの育ての親。和菓子「とらや」の店主です。3代目おいちゃん。

 

車つね(おばちゃん)…三崎千恵子

 おいちゃんの奥さんです。寅次郎とさくらにとっては叔母にあたります。実の子供はできませんでしたが、さくらの育ての親です。和菓子「とらや」をおじちゃんと一緒に切り盛りしています。

 

諏訪博…前田吟

 共栄印刷の職工のひとりです。狭いながらも自分の家を買い、さくらと息子・満男の3人暮らしです。実家は岡山県。

 

小倉梅太郎(共栄印刷社長・タコ社長)太宰久雄

 とらやと親戚付き合いをしている、とらやの隣にある印刷工場の社長です。手形の期限に追われては、中小企業の大変さやつらさをこぼしています。妻とはお見合いで結婚し、子だくさんの父親。

 

諏訪満男…中村はやと

 博とさくらの一人息子です。

 

源公…佐藤蛾次郎

 帝釈天の寺男をしています。

 

藤堂久宗…嵐寛壽郎《ゲスト》

 伊予大洲藩の16代当主です。世が世ならお殿様で、街を歩けば土地の人は皆頭を下げるような人物。息子を亡くした寂しさや自分の老いも感じて、せめてその息子の嫁に一目会いたいと、思っていました。寅次郎とは城跡で寅次郎の500円を拾ったことで知り合います。

 

吉田六郎太…三木のり平《ゲスト》

 殿様である、藤堂久宗に仕える執事です。久宗の前では従順だが、オフでは軽薄で調子のいい面も持ち合わせているところがあります。

 

藤堂宗通…平田昭彦《ゲスト》

 宗久の長男です。クールな性格。

映画『男はつらいよ 寅次郎と殿様』感想(評価)

 どんな人の前でも変わらないという魅力を持つ寅次郎。その自然体で温かい人間性を信用して、殿様である久宗が誰にも頼めないようなお願いをしたのには、相当な想いがあったと感じました。

 執事である吉田のいい加減な性格もまた、久宗とのバランスが良く、軽快にお話が進んでいって楽しかったです。キャラクターゼーションがとても分かりやすくて、インパクトがありました。

 また寅次郎の「拾ったら(拾ってもらったら)、礼をするのは決まりだ」っという台詞も、粋でかっこよかったです。見返りを求めるのではなく、自分の生き方としてこんなことをさらっとできるかっこいい大人になりたいと、またしても思わされましたね。

映画『男はつらいよ 寅次郎と殿様』まとめ

 義父と嫁というどこにでもある関係性の中で、通い合う想いには共通して亡き夫への愛や、相手をいたわる気持ちを感じることのできた、温かいストーリーになっていました。

 最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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