映画『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』あらすじ・キャスト・感想(評価)・まとめ

映画

 下町人情喜劇『男はつらいよ』シリーズ第20作。

 ゲストに中村雅俊と大竹しのぶを招き、若い二人の恋模様を描いた物語です。恋愛の指南役をかって出る寅次郎のコーチぶりが楽しめる作品になっています。

 映画『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』のあらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。

映画『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』概要

公開日:1977年12月29日

上映時間:95分

配給:松竹

観客動員数:188万1000人 (前作は140万2000人) 

配給収入:11億1600万円 (前作は8億4900万円)

 

ロケ地…大洲(愛媛県)

 

【スタッフ】

監督・原作…山田洋次

脚本…山田洋次、朝間義隆

撮影…高羽哲夫

音楽…山本直純

美術…出川三男

映画『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』あらすじ

 旅先から帰ると二階に下宿している青年に「押し売り」と勘違いされた寅次郎。出て行けと相手に怒鳴り、寅次郎も頭にきて外へ出て行くものの、その青年・良介にパチンコ屋でばったり会って意気投合してしまいます。

 歌を一緒に歌いながらとらやへ帰り、元通り結局二階に住まわせることにした寅次郎。

 翌日おばちゃんに小言を言われ拗ねた寅次郎は、朝食を外で食べると言い、近所の食堂「ふるさと亭」に入ると、そこに昼ご飯を食べていた良介と出くわします。よく来ると言うので話を聞くと、どうもそこの看板娘・幸子に惚れている様子。

 なんとか二人をくっつけようと、寅次郎の恋のコーチとしての指導がここから始まります。

 デートに行く約束をしたというので、寅次郎の指導には熱がこもりますが、結果は想いを伝えることができず不発に終わってしまいます。後悔する良介は起死回生を図り思い切って食堂に行き、そのまま結婚してほしい気持ちを幸子にぶつけに行きました。

 しかしそのタイミングは最悪で、なんでこんなときに!っと幸子に突っぱねられてしまいます。ショックを受けた良介は部屋の戻り、襖の隙間にテープを張り巡らせ……。

映画『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』キャスト紹介

車寅次郎…渥美清

 14歳の時に父親(今は他界している)とケンカ別れして家を出てから、20年間故郷に帰らずに旅に出ていましたが、第1作目で帰ってきて以来、旅に出たり帰って来たりを頻繁に繰り返すようになりました。異母兄弟の妹さくらがいます。家業はテキヤ。

 

諏訪さくら…倍賞千恵子

 寅次郎の異母兄弟です。博と息子の満男と3人で暮らしています。

 

島田藤子…藤村志保 《マドンナ》

 島田良介の姉で、平戸でお土産屋をやっています。一度結婚しましたが離婚。それに懲りていて、周りからはモテているが独り者で、店をひとりで切り盛りしています。

 

御前様…笠智衆

 柴又帝釈天のご住職です。

 

車竜造(おいちゃん)…下条正巳

 寅次郎の父親の弟です。寅次郎とさくらにとっては、叔父にあたります。さくらの育ての親。和菓子「とらや」の店主です。3代目おいちゃん。

 

車つね(おばちゃん)…三崎千恵子

 おいちゃんの奥さんです。寅次郎とさくらにとっては叔母にあたります。実の子供はできませんでしたが、さくらの育ての親です。和菓子「とらや」をおじちゃんと一緒に切り盛りしています。

 

諏訪博…前田吟

 共栄印刷の職工のひとりです。狭いながらも自分の家を買い、さくらと息子・満男の3人暮らしです。実家は岡山県。

 

小倉梅太郎(共栄印刷社長・タコ社長)太宰久雄

 とらやと親戚付き合いをしている、とらやの隣にある印刷工場の社長です。手形の期限に追われては、中小企業の大変さやつらさをこぼしています。妻とはお見合いで結婚し、子だくさんの父親。

 

諏訪満男…中村はやと

 博とさくらの一人息子です。

 

源公…佐藤蛾次郎

 帝釈天の寺男をしています。

 

島田良介…中村雅俊《ゲスト》

 さくらたちのアパートの近くの3畳一間のぼろアパートに暮らす電気工事作業員ですが、満男の面倒をよくみる気のいい青年を放っておけず、とらやの二階で住まわせることにした、ワット君というあだ名の男性です。

 

福村幸子…大竹しのぶ《ゲスト》

 自身のおじさんが経営している柴又の食堂「ふるさと亭」を手伝う看板娘です。

 

映画『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』感想(評価)

 当時から若手実力派と言われていた大竹しのぶさんの演技や、俳優として当時旬を迎えていた中村雅俊さんの魅力を存分に味わうことができました。ふたりの繊細な恋心のやりとりに、観ているこちらも心を揺り動かされてしまうシーンがたくさん出てきます。

 寅次郎が感じている感情と同様、こちらもハラハラドキドキしてしまうところがたまりません。

 幸子との不忍池でのデートで、良介は告白どころかお金を貸してくれと言ってしまったところは、本当に恋の切なさに胸がはちきれそうになりました。

 もう実生活では感じなくなってしまった気持ちも、こんなふうに映画のワンシーンを観てまるで自分の身に起きたことのように感じられる、そんな風に感じさせてくれたこの作品は、若者の恋心の機微を実によく伝えていたと思います。

映画『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』まとめ

 自分の恋愛は全くうまくいかずいつも身を引く寅次郎が、恋の指南役という粋な兄貴となって奮闘するこの作品。

 ハラハラドキドキが止まらない、若かりし頃の恋心を思い出してしまうお話でした。

 最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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