下町人情喜劇『男はつらいよ』シリーズ第25作。
毎回心を通わせ合う寅次郎とリリーの愛は、果たして成就するのか!シリーズ屈指の傑作との言える物語になっています。
映画『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』のあらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。
目次
映画『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』概要
公開日:1981年8月8日
上映時間:104分
配給:松竹
観客動員数:182万1000人 (前作は184万1000人)
配給収入:13億1000万円 (前作は12億2000万円)
ロケ地…沖縄(沖縄県)、軽井沢(長野県)
【スタッフ】
監督・原作…山田洋次
脚本…山田洋次、朝間義隆
撮影…高羽哲夫
音楽…山本直純
美術…出川三男
映画『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』あらすじ
浅草でリリーを見かけた博は声をかけ、とらやでの夕食に誘います。キャバレー回りのあまりの忙しさにまた寄らせてほしいと約束するリリー。その矢先、彼女は沖縄で病気になり病院に入院することになってしまい、その近況を手紙に書いて送ってきました。
それを知った寅次郎はすぐさまリリーのもとへ行かなくてはと、みんなの協力のもと現地の病院まで飛行機で向かいます。
大喜びのリリー。寅次郎はリリーを献身的に看病し、その様子はあまりにも仲睦まじく、周りから羨ましがられるほど。そしてその甲斐あってリリーの体調は次第に良くなり、退院が決まります。定期健診のため沖縄の国頭家で部屋を借り、ふたりは同棲?をし始めます。
その噂は柴又にまで伝わり…。
映画『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』キャスト紹介
車寅次郎…渥美清
14歳の時に父親(今は他界している)とケンカ別れして家を出てから、20年間故郷に帰らずに旅に出ていましたが、第1作目で帰ってきて以来、旅に出たり帰って来たりを頻繁に繰り返すようになりました。異母兄弟の妹さくらがいます。家業はテキヤ。
諏訪さくら…倍賞千恵子
寅次郎の異母兄弟です。博と息子の満男と3人で暮らしています。
リリー…浅丘ルリ子 《マドンナ》
昔レコードを出したが、今は全国のキャバレー回りをして歌を歌う旅回りの歌手です。寅次郎と同じ旅ガラスで、いきもぴったりな仲。最初の出会いは北海道の網走でした。すし職人と結婚し亭主とともに鮨屋を営みますが離婚。またキャバレー回りに戻り苦労とともに生きる女性。
御前様…笠智衆
柴又帝釈天のご住職です。
車竜造(おいちゃん)…下条正巳
寅次郎の父親の弟です。寅次郎とさくらにとっては、叔父にあたります。さくらの育ての親。和菓子「とらや」の店主です。3代目おいちゃん。
車つね(おばちゃん)…三崎千恵子
おいちゃんの奥さんです。寅次郎とさくらにとっては叔母にあたります。実の子供はできませんでしたが、さくらの育ての親です。和菓子「とらや」をおじちゃんと一緒に切り盛りしています。
諏訪博…前田吟
共栄印刷の職工のひとりです。狭いながらも自分の家を買い、さくらと息子・満男の3人暮らしです。実家は岡山県。
小倉梅太郎(共栄印刷社長・タコ社長)太宰久雄
とらやと親戚付き合いをしている、とらやの隣にある印刷工場の社長です。手形の期限に追われては、中小企業の大変さやつらさをこぼしています。妻とはお見合いで結婚し、子だくさんの父親。
諏訪満男…中村はやと
博とさくらの一人息子です。
源公…佐藤蛾次郎
帝釈天の寺男をしています。
国頭高志…江藤潤《ゲスト》
沖縄におばぁと妹と暮らす水族館で働く青年です。寅次郎とリリーが部屋を借りている国頭家の長男。熱血漢であり、正義感が強いのが特徴。
映画『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』感想(評価)
最高の一作でした。これは前回リリーさんが出演した15作『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』以上の物語だったうように私は思います。
この沖縄という設定やハイビスカス、そして旅ガラスふたりがすぐには行き来できない沖縄という舞台で、大人のロマンスを繰り広げるところ。
苦労人のふたりだからこそ、本当の想いが出たときに互いの弱さを明るい方向に跳ね返し守ろうとしてしまう。それは相手のことでもあり、また自分のことでもあるのはふたりの大きな共通点。
自分の弱さをよく知っていて、互いに自分が幸せになることを信じられないからなのかと、あれこれ考えさせられますが、これは本当に厳しい中で生きている者同士の優しく切ないお話です。
リリーのリアクション、そして寅次郎の自分の気持ちを認識しようとしないあまりに深すぎる想い、ふたりのやりとりは何回でも何十回でも観たい。
映画『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』まとめ
きっと映画『男はつらいよ』を1本だけ観られるなら、この作品を観たいというほど完成度の高い作品です。
寅次郎の恋心や愛情の深いところまでどっぷりと味わえること、間違いなしの一作。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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