「ヘルタースケルター」あらすじ・キャスト紹介・感想・評価

映画

「ヘルタースケルター」あらすじ

蜷川実花が監督を務めた衝撃の漫画が実写映画化!

現代社会でとても人気がある芸能人として名前が挙がるのはテレビCMやドラマ、雑誌で見かけないことはない大人気モデルのりりこです。

ミーハーな女子高生たちがなりたい顔として名前を挙げるのもりりこでした。

顔も可愛くて美しくてスタイルもとても良く誰が見ても最強の美女です。

そんな人気絶頂の中にりりこ本人は決して幸せな表情ばかりではありませんでした。

りりこの中ではなにかカチカチとカウントダウンの音が響いていたのでした。

その音は自分から美しさがなくなったときに皆から見放されてしまうのではないかと恐れている音でもありました。

なぜならりりこは、作られた美女だったからです。

目ん玉、耳、爪、性器以外は全身整形していたのです。

もちろん周りは誰も疑ったり気づく人はいませんでした。

そんな中検事の麻田は、「麻布プラチナクリニック」という病院が胎児の臓器売買や薬事法違反の容疑にて目をつけていました。

麻田は活躍しているりりこの姿を見て一瞬で全身整形をしていると気づきました。

麻田からしたらりりこの顔は崩れていたのです。

検事として事件を立件したくりりこをうまく使おうと考えます。

りりこには35歳の羽田というマネージャーがいました。

羽田に対するりりこの態度は最悪なものだったのです。

意地悪なことを言っても逆らうことなくりりこに従いました。

そんな羽田にりりこも付け込んでいていていつも迷惑をかけたあとには「私には羽田ちゃんがいないとダメなの」とすがりました。

今をときめく人気モデルから頼りにされている羽田はこの言葉を頼りに頑張るしかありません。

周囲の支えもあって活躍するりりこですが整形の後遺症に苦しめられたいと段々作りものの自分自身に限界を感じてきます。

やがて生まれたときから美貌をもつ後輩モデルが登場します。

自然な美しさからりりこはこずえに嫉妬し狂いだしていくのです。

こうして美しさを求めるばかりにどんどん美に執着していくある人気モデルの人生が狂いだしていきます。

りりこの運命はどうなってしまうのでしょうか。

「ヘルタースケルター」キャスト紹介

沢尻エリカ(りりこ役)

1986年4月8日

スペインに所在するエル・エクストラテレストレに所属

この映画では素性不明のファッションモデルを演じる

大森南朋(麻田誠役)

1972年2月19日

俳優としてアパッチに所属

この映画では胎児売買事件を追う検事を演じる

水原希子(吉川こずえ役)

1990年10月15日

女優としてOFFICE KIKOに所属

この映画では主人公りりこの後輩モデルを演じる

寺島しのぶ(羽田美知子役)

1972年12月28日

女優としてアプティパに所属

この映画ではりりこのマネージャーを演じる

「ヘルタースケルター」感想

こんな映画があっていいのかと思うほど見終わったあと今までに受けたことのない衝撃ですごかったです。

何かに憧れることはあるけどここまで憧れが完成してしまうともう落ちていくしか残っていないのだな、と人間の表裏を直接感じることができました。

私がこの映画で一番好きなのはやはり蜷川実花が監督をしていたことです。

背景やちょっとしたシーン残酷なシーンが一つ一つ綺麗にビビットカラーで描写されていて感動するものがありました。

ここまでの映像美は観たことがありません。

本当に素晴らしいものでした。

そして最先端をいくモデルさんの設定なので出てくるファッションや小物類がすごく可愛いかったです。

そんなところも心が引き付けられました。

そしてなんといっても注目すべきは豪華な俳優陣です。

沢尻エリカさんの演技は人を引き付ける魅力があって、本当に本人の話なのではないかと思うレベルでした。

痛がったり、苦しむ演技がこんなに上手な女優さんはこの人だけだと思います。

本当に苦しそうで見ているこちらもつい眉をひそめていました。

どんどん作品にのめりこんでいってしまうので見終わった後にはどっぷりと疲れてしまいます。

でも見ごたえはとってもあります。

人間の愚かさや恐ろしさ一番直接感じるのをなんとか避けてこようとした人間にとってはなにか大切なものを気づかせてもらえるのではないでしょうか。

「ヘルタースケルター」評価

R15指定であるにも関わらず手塚治虫文化賞漫画大賞を受賞している蜷川実花監督2作品目の映画です。

漫画をできるだけ再現しようとしているのがよくわかる作品です。

美しさと人間の底という相反する二つがぎゅっとつまった底知れない波乱万丈な人生の物語を見ることができました。

そして、驚いたのはりりこの部屋の家具が蜷川実花監督の私物であるということです。

かなり異様な不思議なりりこの部屋はこうして創られていたのですね。

沢山出てきた雑誌の写真なども蜷川実花が撮影したものだというから本当に隅々にまで手が込んでいて驚くばかりです。

印象に残っているシーンと言えば濡れ場のシーンです。

本当にR15のギリギリを攻めたんだろうな、と思わせるシーンばかりでした。

ここまでやって大丈夫なのかとこちらが心配になるほどのエロティックさが完成されていました。

そんな濡れ場のシーンすらもとても美しいのがこの作品の魅力の一つです。

エロさと美しさが綺麗に表現されているのです。

女性として生きることに疲れてしまった一人の女性を目の前にして沢山の意味の込められた作品が仕上がっています。

そんな深い意味の込められたメッセージを受け入れていきたいですね。

映画から監督や演者の本気度がひしひしと伝わってきます。

そういう映画だからこそここから何か意味のある大きな力を持っているのです。

最後に

蜷川実花の素晴らしい世界に一歩踏み出してみませんか。

そこには衝撃の世界が広がっているのです。

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