映画『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』あらすじ・キャスト・感想(評価)・まとめ

映画

 下町人情喜劇『男はつらいよ』シリーズ第26作。

 自分の境遇を乗り越えて、懸命に勉強し幸せを掴もうとする若い女性の姿を描いた物語です。 

 映画『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』のあらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。

映画『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』概要

公開日:1980年12月27日

上映時間:100分

配給:松竹

観客動員数:188万9000人 (前作は182万1000人) 

配給収入:13億8000万円 (前作は13億1000万円)

ロケ地…江差(北海道)、奥尻島(北海道)、阿波徳島(徳島県)

 

【スタッフ】

監督・原作…山田洋次

脚本…山田洋次、朝間義隆

撮影…高羽哲夫

音楽…山本直純

美術…出川三男

映画『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』あらすじ

 北海道江差でテキヤ仲間から、同じく仲間のシッピンの常の死を知らされた寅次郎は、早速常の地元である奥尻島へ向かい、お墓参りをしに行きました。そこで常(常吉)の娘・すみれと知り合い、父親とのことなどこれまでの話を聞こうとします。

 すると口数の少ないすみれは自分は高校を中退しているので、東京に行って定時制高校に通いたいと寅次郎に言うのでした。その想いを叶えるため、寅次郎は父親代わりの気持ちで、とらやの人々の協力を仰ぎながら、力になることにしました。

 漢字もあまり読むことができないすみれは、博に勉強を教わりながらこれまでできなかったことを一気に取り戻すように、認定試験に向けて必死になって毎日努力を重ねていきます。

 しかしきっと私は落ちてしまうという不安が消えることはありません。いよいよ試験当日、試験会場に向かう途中の橋の上で……。

映画『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』キャスト紹介

車寅次郎…渥美清

 14歳の時に父親(今は他界している)とケンカ別れして家を出てから、20年間故郷に帰らずに旅に出ていましたが、第1作目で帰ってきて以来、旅に出たり帰って来たりを頻繁に繰り返すようになりました。異母兄弟の妹さくらがいます。家業はテキヤ。

 

諏訪さくら…倍賞千恵子

 寅次郎の異母兄弟です。博と息子の満男と3人で暮らしています。

 

水島すみれ…伊藤蘭 《マドンナ》

 寅次郎のテキヤ仲間、シッピンの常の娘です。礼文島の水産加工場の事務員。常が亡くなったと聞いて墓参りに寅次郎が訪れたときに知り合いました。父親の破天荒な生き方に翻弄されて、子供のころから苦労をし函館の高校を中退しています。

 

御前様…笠智衆

 柴又帝釈天のご住職です。

 

車竜造(おいちゃん)…下条正巳

 寅次郎の父親の弟です。寅次郎とさくらにとっては、叔父にあたります。さくらの育ての親。和菓子「とらや」の店主です。3代目おいちゃん。

 

車つね(おばちゃん)…三崎千恵子

 おいちゃんの奥さんです。寅次郎とさくらにとっては叔母にあたります。実の子供はできませんでしたが、さくらの育ての親です。和菓子「とらや」をおじちゃんと一緒に切り盛りしています。

 

諏訪博…前田吟

 共栄印刷の職工のひとりです。狭いながらも自分の家を買い、さくらと息子・満男の3人暮らしです。実家は岡山県。

 

小倉梅太郎(共栄印刷社長・タコ社長)太宰久雄

 とらやと親戚付き合いをしている、とらやの隣にある印刷工場の社長です。手形の期限に追われては、中小企業の大変さやつらさをこぼしています。妻とはお見合いで結婚し、子だくさんの父親。

 

諏訪満男…中村はやと

 博とさくらの一人息子です。

 

源公…佐藤蛾次郎

 帝釈天の寺男をしています。

 

林先生…松村達雄《ゲスト》

 定時制高校の教師です。

 

菊地貞男…村田雄浩《ゲスト》

 すみれが通っていた函館の高校の同級生で、すみれの恋人です。今は函館で大工をしていて、すみれと音信不通になってしまったので、礼文島そして柴又まで探しに来ました。

映画『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』感想(評価)

 今回のマドンナは、学生時代に父親の破天荒ぶりに振り回された少女の感じがとてもよく出ていました。その彼女が自分の人生を自分で切り開こうとする思い、そしてそれを聞いた寅次郎がとらやの人々に協力を頼み、みんなが総出で彼女の人生の手助けをしようとするところ。

 柴又のみんながすみれの親戚となり、支えてあげようとする姿がとてもあたたかい気持ちにさせてくれました。

 そして高校時代の恋人がすみれを迎えに来て結婚を決めたとき、朝帰りのすみれに父親のような心配の仕方をする寅次郎。「怒っちゃいないよ。おまえ、本当に幸せになれるのか」。感情を殺し、真面目な顔ですみれに優しくこういった寅さんの言葉に心打たれました。

映画『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』まとめ

 つらい人生の体験から立ち上がって、幸せを自分の手でつかもうとする女性の想いを、何とか叶えてやろうとする寅次郎やとらやの人々の温かさと優しさが見どころになっている作品です。

 最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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