『世界から猫が消えたなら』あらすじ・キャスト・感想・評価・まとめ

映画

 やさしい愛の物語『せか猫』、自分の身の回りのものを、改めて大切にしたくなる作品です。

  原作は川村元気の『世界から猫が消えたなら』。

  2013年に本屋大賞にノミネートされ、中国・韓国でも出版され、累計発行部数100万部を突破した感涙ベストセラーの映画化です。

 あらすじ、キャスト、感想をまとめてみました。

(トップ画像公式ページより)

『世界から猫が消えたなら』あらすじ(ネタバレ)

 舞台は函館。一匹の猫キャベツと暮らす、30歳の郵便局員が主人公(佐藤健)です。いつもにこやかで温かく包んでくれていた母の死後、時計屋を営み、無口で不器用な父とは疎遠になっていました。

 恋人もおらず、いまだに昔の彼女に思いは残っています。好きなことは映画観賞で、映画好きの親友がひとりいるだけでした。

 毎日を平凡に同じように過ごしていましたが、ある日自転車に乗っていると、目の前が急に白くなり、倒れてしまいます。検査の結果、脳腫瘍で余命わずかであることを知らされます。

 呆然とひとり家に帰ると、そこには自分と同じ姿形をした人が部屋で待っていました。彼は悪魔であると名乗ります。悪魔は主人公に、君は明日死んでしまうっと宣告をします。死にたくなかったら、世界から何かひとつ、ものを消すことで、一日命をあげようと言われるのです。

 悪魔のささやきに乗った主人公は、一日ひとつずつ、電話、映画、時計、そして猫を消していくことになります。しかし一日寿命を延ばすために、ひとつずつ消していったものには、同時にそれにまつわる思い出も失ってしまうのです。

 主人公がストップをかけたのは、猫を消すという選択をするときでした。主人公は猫にまつわる思い出が、自分の核になっていることに気づき、どうしてもその選択はできなかったのです。

 ここで主人公は自分の死を受け入れます。実はこの悪魔は、主人公の中にいるもう一人の自でした。

 そのことに気づき、主人公は大切なものを、自分の命と引き換えに失っていく生き方をするのではなく、大切なものに「ありがとう」と感謝して、残された寿命を全うすることに決めるのでした。

 

『世界から猫が消えたなら』キャスト紹介

2016年5月14日公開。

上映時間:103分

【原作】川村元気

 キャスティングにも携わっていて、監督の永井聡を自らオファーしたようです。

 原作は自分の過去の体験を組み合わせて、一年半かけて完成させた作品です。

 また登場人物に名前を付けず、「僕」「彼女」にしたのは、作者自身が自分を投影して作品を書いたように、誰もが自分に置き換えて入り込めるようにとの、思いがあるからのようです。

【監督】永井聡

 有名なCMディレクターであり、映画も撮っている監督です。

 川村元気がオファーしたきっかけは、満島ひかりが出演していた「カロリーメイト」のCMだそうで、この映画の世界観を、彼なら成立させてくれるだろうと思ったからだそうです。

【キャスト】佐藤健(僕・悪魔)

 一匹の猫キャベツと暮らす、30歳の郵便局員です。

突然倒れ、余命一週間の末期の脳腫瘍だと宣告されます。

 

 一方悪魔は僕とは正反対の性格で、喋り方も軽薄です。残忍なイメージはありませんが、冷淡さがあります。

【キャスト】宮崎あおい(彼女)

 映画好きで映画館で働いている、僕の元カノです。

サバサバしていて、僕と別れた後も僕の母とは仲が良く、一緒に美容院などに行っていました。

【キャスト】濱田岳(タツヤ)

 僕から「ツタヤ」と呼ばれています。レンタルビデオ屋で働く、大学時代からの親友です。映画に詳しく、まさに映画オタクで、映画のことになると突然流暢に話し始めます。

【キャスト】奥田瑛二(父)

【キャスト】原田美枝子(母)

『世界から猫が消えたなら』感想・評価

 絵の撮り方から、CM出身の監督ではないかと思っていたら、やはりそうでした。とても絵が綺麗で、全体的にノスタルジックに撮影されていて、一体感がありました。衣装も背景に溶け込んでいて、どのカットを切り取っても絵として印象に美しく残ります。

 また函館など日本でのシーンと、アルゼンチン・ブラジルでのシーンでは、それぞれコントラストが異なり、印象がガラッと変わって、空気の広がりや温度までもが伝わってくるようでした。

 僕と悪魔の演じ分けは、実にナチュラルでした。時々悪魔のような役をやられることがありますが、僕のような朴訥として誠実な役が、佐藤健さんは本当に上手く、共感させられます。僕の息子らしさや、頼りなさのリアリティがとてもよかったです。

 宮崎あおいさんの彼女も、サバサバとしているが包み込むような愛を持ち合わせている女性で、後半は頼もしくも見えました。僕の母が彼女に最後の手紙を託した理由がわかる人物像を作り上げていたのさすがです。

 実は濱田岳さんのタツヤは、最も心に残りました。彼にとっても僕は唯一の親友なのだろうなと思わせるお芝居で、特に最後に観るべき映画を探している姿は、涙があふれてきてしまいました。こんな親友をもつ僕が、とても羨ましいです。最高の友です。

 またお芝居だからというのではなく、本当に心から嘘偽りなく、映画が大好きなのだろうなというのが伝わってくるようなシーンもあり、さらに映画を観たくなりました。

 自分の身の回りにある、いつもあって当然だと思っているものは、実は自分の大好きなもので、かけがえのないものなのかもしれませんね。

 人の思い出はものや場所にくっついているっというのを、聞いたことがあります。ひとつひとつを改めて大切に、感謝をもって接したいと思いました。

『世界から猫が消えたなら』まとめ

 今この記事を書いている横では、一緒に5年前から暮らしている猫が、丸くなって寝ています。時々いびきをかいたり、寝言を言ったり、かわいいのはもろんですが、私が悲しんでいる時、さみしい時には、必ずなにを察知してか、そばに寄り添ってくれるから不思議です。

 人間が猫を飼っているのではなく、猫がそばにいてくれているっと、映画の中で母は言っていましたが、それは本当だろうなと感じています。

 自分の大切なもの、ちゃんと大切にしていきたいですね。

 

 最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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