今回おすすめする作品は、2014年に公開されたジョニー・デップ主演の超大作・『トランセンデンス』です。
この作品は、余命宣告をされたAI研究開発の天才と、その妻の愛情物語でもあります。
タイトルになっている「トランセンデンス」の意味は、「超越」です。
そのため?劇中でのAIの進化は、見る側の予測を遥かに「超越」したスケールになっています。
『トランセンデンス』のキャスト
ウィル・キャスター :ジョニー・デップ
エヴリン・キャスター :レベッカ・ホール
マックス・ウオーターズ:ポール・ベタニー
ジョセフ・タガー :モーガン・フリーマン
『トランセンデンス』のあらすじ
天才科学者のウィルは、妻のエヴリンと共にAI研究開発に取り組んできました。
ウィルは根っからの学者ですが、エヴリンはその技術を世の中のためにどう生かすのか?を考えています。
二人は公私共に、良き理解者であり良きパートナーでした。
しかしAIの進化を歓迎出来ない“反勢力”の中には、研究者たちの暗殺を企てる者もいました。
それでもウィルは言います。
「自我を持つAIがネットで繋がれば、人類を超える。コンピューターが人間の感情・自我を持つことを脅威だと感じ、それを“特異点”と呼ぶ人もいるが、私はそれをトランセンデンス(超越)と呼ぶ。」
しかしこの演説の直後、ウィルは“反勢力”から銃弾を受け、余命4~5週間と診断されてしまいます。
彼を愛し、彼の頭脳を誰よりも尊敬していたエヴリンは、悲しみに打ちひしがれました。
そして日々衰弱していくウィルを見ながら、エヴリンの中にある考えが浮かびます。
「ウィルが生きているうちに、彼の頭脳をコンピューターにコピーする。」
過去に研究員の一人が、猿の脳の活動をコンピューターにコピーすることを実現していました。
その研究員・ケーシーは暗殺されていましたが、研究データが残っていることを、エヴリンは知っていたのです。
このエヴリンの計画に、夫妻の友人・マックスも加わりました。
何故ならウィル自身が、「愛する妻の望みを叶えたい」と願ったからです。
こうしてウィルは死の間際まで、脳の活動をコンピューターに記録され続けました。
そしてウィルの死後、エヴリンの執念は実り、コンピューターの中でウィルは蘇ったのです。
しかしこの時マックスは、蘇った彼を「ウィル本人だ」と思うことができませんでした。
そのためそれ以降、マックスはエヴリンと決別することになります。
そんな中、マックスに“反勢力”の人物が近づいて来ます。
実はこの“反勢力”の人物は、元々ケーシーの研究を手伝っていた学生でした。
学生はマックスに言います。
「猿の脳を使った研究の成功は、当時関わっていた私にとっても喜びだった。」
「しかしある出来事がきっかけになり、その恐ろしさに気づき、止めなければならないと思った。」
学生がマックスに協力を頼んでいる頃、蘇ったウィルは自分の拠点作りを着々と進めていました。
それから数年が経ち、拠点作りに成功したウィルの頭脳は、恐ろしいスピードで進化を遂げていました。
そんなウィルとエヴリンの前に、“反勢力”とマックスが現れます。
ここから、“反勢力”がウィルに闘いを挑むのですが、物語は意外な結末を迎えることになります。
『トランセンデンス』の感想・批評(ネタバレあり)
この作品を調べてみると、「酷評」という文字が目に留まりました。
「何故酷評?」は、わからないでもありません。
冒頭にもあるように、進化の度合いがあまりにも大きくて、「収集不可能では?」と感じたのも事実です。
その進化したウィルへの対抗策が、実は「ウイルス」なのですが、これだけ進化した素晴らしいAIであっても初物には対処できず、「本当に防げないの?」と、疑問に思ってしまいました。
また“反勢力”のAIへの対抗手段が、最初から「研究者を殺す」という方法なので、それも「安直過ぎてAI以下なのでは?」と感じてしまいました。
ただこの作品のジャンルはSFであり、そして結末の鍵になっているのは「愛情」であることを、見過ごしてはなりません。
元々AIは人の感情を読むことができないと言われていますので、愛情を持つことは難しい筈です。
それが自我に目覚め、確かに特定の人物である妻に、愛情を感じています。
また、「体の不自由な人を、あっという間に直してしまう」というAIの芸当も、「夢物語」としては楽しいと感じました。
ただし「悪いところを直す」だけでなく、この時AIが別の能力を人間に付加してしまうので、そこは余計だということです。
AIが自我に目覚めることが悪いというより、それを抑制できないことが問題なのですね。
まとめ
今回は、映画・『トランセンデンス』を紹介しました。
この映画は、イギリス・中国・アメリカの共同制作で超大作です。
主演のジョニー・デップのギャラも、推定2000万ドルと相当高額でした。
元々他の作品のギャラも高額だったジョニー・デップは、その後米経済紙で、「ギャラ貰いすぎ俳優1位」に選ばれてしまったそうです。
しかし、『トランセンデンス』のような未来を想像させる作品は、「時が経ってから良さが評価されることも有るのでは?」と、思わずにはいられません。
この作品は、純粋にSFの世界を楽しみたい方や、AI問題に関心を持っている方などに、おすすめしたい映画です。
興味のある方は、是非本編をご覧になってみてください!
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