映画『新・男はつらいよ』あらすじ・キャスト・感想(評価)・まとめ

映画

 下町人情喜劇映画『男はつらいよ』シリーズ第4作です。

 山田監督は前作と同様に脚本だけを手掛け、監督は渥美清と山田監督を引きあわせた、『男はつらいよ』の生みの親である小林俊一が務めています。

 映画『新・男はつらいよ』のあらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。

映画『新・男はつらいよ』概要

公開日:1970年2月27日

上映時間:92分

製作・配給:松竹

 

ロケ地…名古屋市、由布岳

 

【スタッフ】

監督…小林俊一 (ドラマ・映画『男はつらいよ』の生みの親であるプロデューサーです)

原作…山田洋次

脚本…山田洋次、宮崎晃

撮影…高羽哲夫

音楽…山本直純

美術…宇野耕司

映画『新・男はつらいよ』あらすじ

 旅先の茶屋で休んでいた寅次郎は、店主の老婆が孫からの郵便を受け「給料が出て貯金もできたのでおばあちゃんに電気あんかを買いました。使ってください」との便りをみて、自分も柴又に土産をたくさん持って帰りたいという想いになります。

 名古屋で競馬をしていた寅次郎は、なんと大穴を当てて100万円を手にします。叔父孝行したいと兼ねてから思っていたことから、そのお金を持ってタクシーで名古屋から柴又へ帰ってきました。

 そこで昇の勤め先である旅行会社ですすめているハワイ旅行に、おじちゃんとおばちゃんを連れて3人で出かけることにしたのです。準備も万端、ご近所さんの祝いの声や御前様もお祝儀を持って駆けつけてくれ盛大に出発しようとしていると、昇が裏からとらに声を掛けます。

 泣いて謝る昇。実はとらが支払った金を旅行会社の社長が持ち逃げしてしまったのです。

映画『新・男はつらいよ』キャスト紹介

車寅次郎…渥美清

 14歳の時に父親(今は他界している)とケンカ別れして家を出てから、20年間故郷に帰らずに旅に出ていましたが、第1作目で帰ってきて以来、旅に出たり帰って来たりを頻繁に繰り返すようになりました。異母兄弟の妹さくらがいます。

 

さくら…倍賞千恵子

 寅次郎の異母兄弟です。博と息子の満男と3人で暮らしています。

 

宇佐美春子…栗原小巻 《マドンナ》

 幼稚園の先生です。

 

御前様…笠智衆

 柴又帝釈天のご住職です。

 

車竜造(おじちゃん)…森川信

 寅次郎の父親の弟です。寅次郎とさくらにとっては、叔父にあたります。さくらの育ての親。和菓子「とらや」の店主です。

 

車つね(おばちゃん)…三崎千恵子

 おいちゃんの奥さんです。寅次郎とさくらにとっては叔母にあたります。さくらの育ての親。和菓子「とらや」をおじちゃんと一緒に切り盛りしています。

 

諏訪博…前田吟

 共栄印刷の職工のひとりです。さくらと息子・満男の3人暮らしです。

 

小倉梅太郎(共栄印刷社長・タコ社長)太宰久雄

 中小企業の社長の大変さを、いつもとらやに来ては口にしています。

 

諏訪満男…中村はやと

 博とさくらの一人息子です。

 

川又登…津坂匡章

 寅次郎の弟分です。八戸出身。堅気になり旅行会社に勤めています。

 

源吉…佐藤蛾次郎

 帝釈天の寺男です。

 

泥棒…財津一郎 《ゲスト》

 とらやに泥棒に入ったコソ泥です。

映画『新・男はつらいよ』感想(評価)

 実にとらさんのことをよく理解している内容でおもしろかったです。寅さんを始めて観る人には、この第4作から紹介するのもありかもしれません。自分の生き方、胸に秘める想いと願い、寅次郎という男の生きる姿が実によく表現されていました。

 とらさんを深く愛し理解しているからこそ、こんな作品に仕上げることができたのだと思います。

 夜中にとらやに帰ってきて、眠る(本当は寝たふりの)おじちゃんとおばちゃんの背中に、本当は孝行したいとひとり語った時の涙、そしてそのあとの2人の会話にまた旅に出て行くことを決めた姿。もうたまりませんでした。

 その心情を、蹴飛ばしていった自転車の車輪で見せた演出もまたかっこよかったです。

 とらさんの自分の人生へのやるせなさが非常によく出ている、まさに“男はつらいよ”でした。 

映画『新・男はつらいよ』まとめ

 寅次郎の魅力が凝縮されている作品になっています。

 とらさんの背中を追いたくなる物語でした。人々の表情だけでなく、絵的にも象徴的な演出がたくさんちりばめられていました。

 最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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