映画『エル ELLE』あらすじ・キャスト・感想(評価)・まとめ

海外映画

 自宅で突然何者かに襲われた女性は、自ら犯人捜しをするうちに予想もしていなかったものに出会ってしまいます。

 それは他でもない自分自身の恐ろしい本性でした。

 犯人よりも危険だった“彼女”があぶり出される、衝撃のサスペンスです。

 映画『エル ELLE』のあらすじ、キャスト、感想(評価)をまとめてみました。

映画『エル ELLE』概要

公開日:2016年5月25日 (仏) / 2016年11月11日 (米) / 2017年8月25日 (日本)

上映時間:130分

製作国:フランス、ベルギー、ドイツ

 

 批評家から極めて高い評価を受けた作品です。特に主人公を演じたイザベル・ユペールはアカデミー賞主演女優賞に、ノミネートされました。

 

【スタッフ】

監督…ポール・ヴァーホーヴェン

原作…フィリップ・ディジャン

映画『エル ELLE』あらすじ

 ゲーム会社の女社長であるミッシェルは、ひとり暮らしをしていました。ある日自宅に覆面を被った何者かが侵入し、突然襲われてしまいます。しかしレイプされた後も、何事もなかったかのように自宅の掃除をするミッシェル。

 父親の過去の事件から警察に頼りたくない彼女は、自ら犯人捜しを始めます。自分の知り合いに違いないと、友人や上司・部下などあらゆる人をあたっていきます。

 送り主の分からない嫌がらせメール、留守中の誰かの侵入、事件の真相を明らかにしていくうちに彼女が出会ったもの、それは今まで隠れていた自分自身だったのです。

 犯人がわかったあとも警察に行くこともなく、逆にその状況にどんどんはまり込んでいくミッシェル。犯人よりも危険なもの、それは彼女自身の本性でした。

映画『エル ELLE』キャスト紹介

【キャスト】

ミッシェル…イザベル・ユペール

 ゲーム会社の女社長です。男性からはとても嫌われるか、逆にとても好かれるかの両極端。息子との仲が思わしくないのを悩んでいます。父親は連続殺人犯で服役中。子供のころに父から暴力を振るわれました。メディアの執拗な報道や取材がトラウマです。

 

パトリック…ロラン・ラフィット

 既婚者。ミッシェルを襲った人物です。

 

アンナ…コンシ二

 ミッシェルのビジネスパートナーで親友。

 数年前からアンナの夫がミッシェルと不倫関係にあるのを隠されています。

 

リシャール…シャルル・ベルリング

 ミッシェルの元夫です。

 

レベッカ…ヴァルジニー・エフィラ

 ヴァンサンの妻で、ミッシェルの義娘です。

 

ヴァンサン…ジョナ・ブロケ

 ミッシェルの息子です。

映画『エル ELLE』感想(評価)

 最初の襲われてしまったシーンから、どんどん強く異常になっていくミッシェルは、むしろ犯罪者のようでもありました。パトリックとともに罪を重ねようとする姿は、まるで猟奇的でした。

 息子のヴァンサンは頼りない青年に見えていましたが、本当に危険な状態にあったのは母親・ミッシェルの方でしたね。ヴァンサンが母親を守ろうとする、優しく愛にあふれた息子で本当に良かったです。

 母を助けたあと、車を買ってもらっていたのにはなんだか笑顔になってしまいましたが、ミッシェルは息子の妻レベッカとの仲も少しはよくなったようで安心しました。なんだかんだ言っても、やはり家族の愛がミッシェルにはあり、それが彼女の窮地を支えていてよかったです。

 欲望のままに動いていくミッシェルを見ていてハラハラしていましたが、一度顔を出した悪魔は人の理性を奪いつくそうとするので、その者の死にまで直結していく本当に危険なものだと思っています。この作品はホラーの要素も兼ねているように感じました。

映画『エル ELLE』まとめ

 道徳にとらわれず、常識を捨て去る決意と勇気から映画化が実現されたこの作品は、綺麗ごとではない真実がたくさんちりばめられていました。

 欲望についていってしまった人間が愛によって救われる展開が、ある意味人間らしくて嘘がなくよかったです。

 改めて自分の中に潜む悪魔について考えることのできるお話でした。

 最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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