海外ドラマ『ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー第5話』あらすじ・キャスト・感想

海外ドラマ

イギリスの田舎町ブライの古いお屋敷にまつわるアメリカ人の世話係と両親を亡くした子供たちを中心とした物語。超自然的ホラーにラブロマンスを組み合わせた作品となっています。

失意のなか単身イギリスへ渡り、古いお屋敷での新しい生活を始めた世話係のダニが次第に戦慄の恐怖へと巻き込まれていきます。

【第5話】あらすじ・キャスト・感想を紹介します。

↓↓海外ドラマ『ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー 第4話』あらすじ・キャスト紹介・感想はコチラ↓↓

海外ドラマ『ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー第4話』あらすじ・キャスト・感想
イギリスの田舎町ブライの古いお屋敷にまつわるアメリカ人の世話係と両親を亡くした子供たちを中心とした物語。超自然的ホラーにラブロマンスを組み合わせた作品となっています。失意のなか単身イギリスへ渡り、古いお屋敷での新しい生活を始めた世話係の...

「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」前回までは・・・

Netflix全9話

放送期間:2020.10.09 Netflixにて配信スタート

原案・制作:マイク・フラナガン 

ホラー映画「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」(前作)

「オキャラス/怨霊鏡」「ドクター・スリープ」など

原作:ヘンリー・ジェイムズ「ねじの回転」

【第5話】「死者の祭壇」

第4話ではダニのアメリカにおける「過去のいきさつ」が明らかになりました。幼なじみの婚約者エディとの結婚式直前、ダニが別れ話を持ち出したことが発端でエディが事故死してしまった。自責の念に重いトラウマを抱えたダニは、イギリスに渡ってからも「エディの霊」に取り憑かれていた。しかし焚き火の夜に庭師ジェイミーへ自分の本心を打ち明けたダニは、胸のつかえがとれたように「過去の自分」を振り切って前に進む覚悟が出来たように見えました。

一方で夜ごと屋敷内を彷徨う「湖の女性幽霊」が現れました。ブライのお屋敷にまつわる恐怖は底が知れません。果たしてマイルズとフローラは「湖の女性幽霊」の正体をどれほど知っているのでしょうか。

第5話ではどこか心もとないベテラン家政婦ハンナの「過去と今」が見えてきそうですが・・・。

「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー第5話」キャスト紹介

【世話係:ダニエル「ダニ」クレイトン役】ヴィクトリア・ぺドレッティ

【兄マイルズ・ウィングレーブ役】ベンジャミン・エヴァン・エインズワース

【妹フローラ・ウィングレイブ役】アメリエ・ビー・スミス

【庭師:ジェイミー役】アメリア・イブ

【家政婦:ハンナ・グロース役】タニア・ミラー

【料理人:オーウェン・シャルマ役】ラウール・コーリ

【ヘンリーの執事:ピーター・クイント役】オリヴァー・ジャクソン・コーエン

【前任の世話係:レベッカ・ジェセル役】タヒラ・シャリフ

【顔のない湖の女性幽霊】ダニエラ・ディブ

【父親ドミニク・ウィングレイブ役】マシュー・ホルネス

【母親シャーロット・ウィングレイブ役】アレックス・エッソー

【叔父ヘンリー・ウィングレイブ卿役】ヘンリー・トーマス

【ストーリーテラー】カーラ・グギノ

「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー第5話」あらすじ(ネタバレ)

《概要》

第5話では家政婦ハンナ・グロースの「タイムトラベル」が繰り広げられます。全ては前回の《焚き火の夜》が起点となる。他人の見る夢に立ち会いながらハンナは自分の世界を何度も巻戻し→再生→巻戻し→時に早送り→再生→巻戻しを繰り返し、やがて『あるがままの自分』に気づかされます。果たしてハンナとはどんな人物なのでしょうか。

〜以下は完全ネタバレとなります〜

《ネタバレ》

深い経験は心の平和とは程遠いということをハンナは知っていた。ハンナはブライのお屋敷で日々の仕事をこなすことで、心の平和を取り戻してきたのだ。それはいつでも順調だった、いつだって…。

《焚き火の夜》

深酔いのオーウェンが言う「過去なんてものはアテにならない。母さんを介護して学んだよ。人間って思い出に囚われて生きてる気になってるけど、忘れるし間違える。いつ死ぬかなんて誰にも分からない。記憶を無くせば死んだも同じ。未来だってアテには出来ないんだ。」と。ハンナが返す「オーウェン、あなたは若いわ。過去だって未来だってあるの、両方をアテにすればいいのよ」と。

日頃から他人を世話してばかりのハンナへ、身軽になったオーウェンは「肩の力を抜いて息抜きしてみたら。僕はまたパリに戻ろうかと思う。今なら行ける。ハンナだって行くことが出来る」と勧める。そして「想像してみてよ!パリのハンナ・グロースを。思いつくことを何でもやろう、僕とキミで。一緒に行きたいんだ…」と誘う。戸惑い気味の微笑みでオーウェンを見つめるハンナ。そこへダニとジェイミーが戻って来る。ジェイミーがオーウェンに帰宅を促す。➟タイムトラベル

《オーウェンとの初対面》

「あなたがハンナ?オーウェン・シャルマです、はじめまして」時間が巻き戻り、ハンナの記憶はオーウェンとの面接日へ飛ぶ。

パリで2年間料理修行を経験したオーウェンが「人生最高の2年間でした」と言うと、ハンナは「ならば退屈な仕事かもしれないわ。高級レストランでも働けそうなのにどうして?」と尋ねる。オーウェンは「パリでは野菜を刻むだけのスーシェフでしたので、一から料理を組立てる勉強が出来て腕を磨く良い機会だと思っています」と理由を述べた。ハンナは「2人の子供の料理を作ることが勉強になるかは分からないけど。マイルズは7歳で気難しい、フローラは5歳で2人とも可愛いわ。ウィングレイブ一家は休暇と夏はこのお屋敷で過ごすの、みんな優しいわ。私のことはただの使用人に見えるかもしれないけど、このお屋敷は私の家よ。それが誇りなの」とはっきり伝えるのだった。重ねて「すぐに辞める料理人では困るわ」と聞くと、オーウェンは「母親が昨日僕を祖父と間違えた。世話をしながら稼がないといけない。だから応募したんだ、先は見えないけれど。すぐに辞めることはありません。僕は逃げ出す人間じゃない」と正直に答えるのだった。

さらにオーウェンはひと呼吸おいて「修道士トーマス・マートンは言います。人間の前頭葉は意識とか自我に占められているが、その奥には人間を超越した無限の可能性が眠っていると。だから認知症の人を介護していると彼らの意識は毎日遠のいていくけど、その奥には可能性があるそうです。無限かは分からないけど。僕には命の勉強になっているのです。」とつけ加えるのだった。

面接途中、(ウィングレイブ一家到着の知らせを受けた気がした)ハンナは「オーウェンさん、あなたとっても・・・」と言いかけて席を立つ。近くのドアを開くと、ハンナは同じ空間ながら異なる時間へ飛んでいた。➟タイムトラベル

《ウィングレイブ一家をお出迎え》

ハンナはお屋敷に到着したウィングレイブ一家をお出迎えした。マイルズにフローラ、ご主人のドミニクと奥様のシャーロット夫妻、そしてヘンリー。ご挨拶の後、執事のピーターが車にもたれながらタバコに火をつける。ハンナが荷物運びを急かすとピーターは「今やる」と投げやりに返してきた。その場をやり過ごし玄関ドアを開けると、ハンナはまた別の異なる時間へ飛んでいた。➟タイムトラベル

《ハンナは屋敷の外で》

ハンナが大声で泣き叫んでいると、奥様のシャーロットが近寄ってきた。(元)夫サムの近況を問われたハンナは「きっと別の女性とどこかで元気にやっているはず」と答える。シャーロットはハンナを元気づけようとして一緒にお酒を飲みましょうと誘う。ふと庭を振り返るとハンナは別の異なる時間へ飛んでいた。➟タイムトラベル

《マイルズの悪戯》

ハンナの前をマイルズが通りすぎて行く。歩く先には庭師ジェイミーがはしごに登って小屋の屋根上を掃除しているのが見えた。すぐさまマイルズがはしごを揺すってジェイミーを怒らす。怒るジェイミーに対しさらに悪態をつくマイルズだった。その様子を見たハンナは突然首筋に激痛が走ったかと思うと、《焚き火の夜》にまた戻っていた。➟タイムループ

《焚き火の夜再び》

深酔いのオーウェンがまた「いつ死ぬかなんて誰にも分らない」と同じセリフを繰り返している。ワインボトルを見つめるとハンナはまた異なる時間へ飛んでいた。➟タイムトラベル

《家政婦ハンナは見た/その1》

掃除機ノズル先端をジッと見つめるハンナ。ふいに執事ピーターが横切る。前任の世話係レベッカと口論しているのが聞こえてくる。ハンナは勉強部屋の入口に近づくと2人の様子を覗き見た。ピーターに気づかれて知らぬ顔で掃除を再開すると、ピーターはハンナに皮肉を言って立ち去った。ふと廊下の壁に「枝分かれたひび割れ模様」があるのに気づく。そっと手で触れようとした瞬間、別の異なる時間へ飛んでいた。➟タイムトラベル

《家政婦ハンナは見た/その2》

ピーターがシャーロット奥様所有の宝石箱を漁っている場面に出くわすハンナ。ヘンリーからの頼まれ事だとシラを切るピーターだが、手にした首飾りは「400年以上前の代物で、数千ポンドの価値」があるはずとハンナに怪しまれる。さらにハンナは「私はヘンリーと違って、あなたの企みを見逃さない。他人の物をくすねる気ね」と迫る。ピーターは「勘違いするな。所詮我々は使用人なのさ。彼ら(ウィングレイブ一家)だけが人生を楽しむんだ。俺たちみたいな正直者は置き去りにされるんだ」と切り返すが、ハンナは「あなたが正直者ですって?首飾りは預かるわ」と見逃さない。ピーターはなおも「俺を大事にしたほうがいいぜ。いつでも追い出せるんだ」と譲らない。ハンナは「出ていくなら、私よりあなたが先よ」とやり込めた。ドアにまた「枝分かれたひび割れ模様」が浮かんでいた。

ハンナは部屋を出て廊下に泥だらけの足跡を見つけると、急ぎ足でお屋敷の外に出た。湖のほとりに人影が見える。振り向いたのはレベッカ・ジェセルだった。➟タイムループ

《再びオーウェンとの初対面》

オーウェンが「腕を磨く良い機会だと思ってます」と同じセリフを繰り返しているのが聞こえてくる。ハンナは「2人の食事を作ることが」と言いかけて止める。躊躇いがちに「前にも同じ会話をした?」と尋ねた。オーウェンは少し間を置き「そうだよ。でもやり直さなきゃ、このまま続けよう」と答えた後。まるで心得ているかのように会話を導き出し、マイルズのことをもっと知りたいと言っては勝手な推測を話し始める。そしてついには「マイルズ・ウィングレイブ」と叫んだのだ。➟タイムトラベル

《家政婦ハンナは見た/その3》

オーウェンの叫び声が合図のように、ハンナとマイルズが対峙する場面に飛ぶ。マイルズがタバコを口にくわえているのを注意するハンナ。たとえピーターが恋しくてもタバコだけはダメと言い聞かせようとするが、マイルズはどこ吹く風の涼しい顔で「もう構うな」と礼拝堂の方へ走り去っていく。

マイルズを追って礼拝堂へ入ると、シャーロット奥様が座っていた。「これからお屋敷に住込みで働くのはどうかしら?自宅を売却して住込みになれば、蓄えも出来て悪くないでしょ。結婚は宗教に似て、酷い仕打ちをされた上に姿の見えない(元夫の)サムのことを今でも本気で信じているのかしら。だから今、ロウソクに火を灯して弔ってあげていたのよ。これでサムは消えたことになるでしょ。」シャーロット奥様からの突然の勧めに、戸惑いを隠せないハンナ。

すると今度はレベッカが隣に座って話し始めた「小さい頃はお父さん子だったの。やがて自分の意見や欲望や目標を持った女になると、父は励ますどころかいつも否定的だった。だけど今本当に出会ったのよ、私以上に私のことを見てくれる人ピーターに。十分に賢くて夢を叶えられる女性だと言ってくれるの。たとえ危険で不完全な人であってもいいの。少しくらい自分を見失っても大丈夫だから」と。ハンナはピーターを危険人物と見なして怖いと感じていた。レベッカも怖さは感じたが、ピーターと出会い〈自分を認めて生きる実感を得たという高揚感〉の方が勝ってハンナの忠告など聞き入れなかった。レベッカの後を追って礼拝堂を出ようとドアを開けた瞬間、目の前にあったのは岩肌の壁だった。ハンナが振り返るとマイルズは口にタバコをくわえ、ピーターと似たしぐさでライターを操りながらハンナを睨んでいた。➟タイムトラベル

《家政婦ハンナは見た/その4》

キッチンの脇で椅子に座り様子を見ているハンナ。料理中に塩加減を味見してもらおうとレベッカに尋ねるオーウェン。しかし以前と違いレベッカは味見を断るのだった。オーウェンは「甘さ過ぎたる蜜は美味ゆえに嫌味。味わううちに食欲も失せるというもの」と意味ありげに言いながら料理に戻る。そこへピーターが現れてレベッカを誘い、仲良く連れ立って行く。ハンナはピーターのことをかつての料理人が作った「タイルに接着剤を付着しただけの暴力的でないネズミの罠」に喩えた。ネズミは知らぬ間に罠にかかり自ら片足を失って罠を抜け出た後に息絶えたと言い、レベッカも決して無傷では逃れられないのだとオーウェンに向かって話す。さらにレベッカは終わりだと気づくまで、自分は大丈夫と言い続けて認めないのだとハンナは言った。➟タイムループ

《3度目のオーウェン初対面》

相変わらず同じ会話を繰り返すハンナとオーウェン。会話途中で、今度はオーウェンが「村のみんなと同じで接着剤の罠にかかってる。よく知ってるでしょ」とハンナに問いかける。「前にも話したわ」と答えるハンナだが、厳密には未来の会話に当たるのだった。オーウェンは「ネズミの罠のことをずっと考えていた。人間なら接着剤に気づけるのか。周りの水が沸騰してきてもジッとしたまま動かず、大丈夫だって言い続けて動かないかもしれない・・・。認められないのか」とまた絶叫する。ハンナは「あなた病気なのね」と席を立ちその場を離れドアを開けた。➟タイムトラベル

《家政婦ハンナは見た/その5》

気づくとハンナは夜更けにレベッカの寝室にいた。目の前にはベッドで抱き合い眠るレベッカとピーター2人の姿が。ピーターがレベッカに「言っておきたいことがある。俺には何一つなかった。金も家族も、それに愛も安らぎもだ。きみと出会うまでは。俺はこれから大勝負に打って出る。イギリス人は階級がすべてなんだ。俺も君もただ手伝うだけで相手にされない。でもアメリカ人は違う、こだわるのは唯一…金だけだ。アメリカでなら俺も君もなりたい自分になれるのさ。だから明日の夜、この屋敷から一緒に出て行こう」と打ち明ける。レベッカはピーターを信じて従うと約束する。ピーターは期待に胸を膨らませ興奮気味に部屋を出て行った。

レベッカがハンナへ向けて「私の一番好きなシーンよ。ありのままの自分そのものとは言えないけど素顔が出てるわ。好きなのは、破綻する前のピーターらしさがよく出てるから。これで理由が分かったでしょう。」と打ち明けた。

慌てて部屋から廊下に出るハンナ。目の前でピーターが「何をしてる。2人ともベッドへ戻れ」と叱っている。マイルズとフローラへ向けた言葉だった。なんだか屋敷内の様子が変だと訴えるマイルズの言葉を聴き流し、ピーターは旧館へと急ぐ。今度こそシャーロット奥様の宝石箱から高価な首飾りを盗み出し、すぐさま戻ってきた。

ベッドに戻らず廊下に立ったままの2人にもう一度叱ろうとした瞬間、暗闇から「顔のない湖の女性幽霊」が突然現れピーターの首を握り締めたかと思うと、そのまま旧館へと引きずっていく。

次の瞬間。ピーターが旧館から先程と同じように戻って来た。心配そうにピーターを見つめるマイルズとフローラ。ピーターは自分に起きた事態を飲み込めていない。するとまた「顔のない湖の女性幽霊」がピーターの肉体を引きずって旧館から階下へと降りていく。とっさにピーターが叫びながらマイルズの肩を掴むと、今度はマイルズが「顔のない湖の女性幽霊」に向かって「俺を離してくれ」と叫んでいた。ピーターがマイルズに入れ替わっていたのだ。

ハンナは「顔のない湖の女性幽霊」とともにピーターは湖へと消えて行くのを見ていた。震えながら振り向くと、レベッカの霊がハンナを見つめて立っている。➟タイムループ

《4度目のオーウェン初対面》

溜め息混じりにハンナが「またやるの」と聞く。オーウェンは「そうさ、これは君の世界だ。あの日以来ずっと繰り返してる」と開き直る。ハンナは奇妙にも「他人の夢」を見るのだと打ち明ける。ピーターが見てる夢、そして見知らぬ女性の見てる夢と言いかけたハンナは「レベッカだわ」と思い出したように言った。オーウェンは少し呆れた様子で「今から2年後のことだ、まだ分からないの?」と聞き返す。そして「もう一度やり直し。君はハンナ・グロース。1987年ブライに住む。ドミニク・シーャロット夫妻は死に、レベッカも死んだ。ピーターは行方不明だ。フローラは8歳、マイルズは…どこか何かがおかしい!」と念を押した。➟タイムトラベル

《家政婦ハンナ・グロース》

マイルズが庭の片隅でライターを操る。ハンナに見つかり逃げ出す。ハンナがマイルズの後を追う。気づけばマイルズはピーターと一緒に古井戸のそばに立っていた。マイルズとピーターの間を引き離そうと必死のハンナ。ピーターはマイルズを通して「ハンナ、いい加減いつになったらありのままを受け入れるんだ」と語気を強めた。

マイルズに入れ替わったピーターがなおも畳み掛ける「警察に捕まるなら本望さ、屋敷外に出られるから。このどうしようもない罠から逃げられたならば…でも無理だろ、なぜなら」と聞いてハンナはようやく「死んでいるから」と悟る。

次の瞬間「これまでうまく行っていたから…もう終わりだハンナ!」

マイルズ=ピーターはそう叫ぶとハンナを古井戸の底へ真っ逆さまに突き落とした。ハンナが最期に見たものは古井戸の壁に入った「枝分かれたひび割れ模様」であった…。➟タイムループ

《新任世話係ダニが来た日》

その日ハンナは古井戸の底をボーっと見ていた。マイルズが物凄く変な夢を見てると言いながらハンナに声をかけくるが、ハンナは気づいていない。フローラが新任世話係ダニを連れて紹介しに来たところで、ようやくハンナは気づき自己紹介した。物陰からピーターが新参者ダニをジッと見ている。➟タイムループ

《焚き火の夜に・アゲイン》

ハンナの記憶が再び焚き火の夜に戻る。深酔いのオーウェンがハンナをパリへ同行しようと口説いている。全てを悟ったはずのハンナだが、オーウェンの誘いを夢見るように同意するのだが…。

オーウェンはジェイミーに帰宅を急かされ、連れ立って闇の中に消えていく。追いかけても叶わぬ夢。

ハンナは言い聞かすように、自らまた自分の世界をやり直すのだった…。(第5話完)

「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー第5話」感想

前回4話でフローラがある秘密を明かしていた「人は死んでも消えたりしない。だから悲しまなくていい」と。少なくともフローラは毎日屋敷内で、亡くなった人間(幽霊)を見ていたということですね。ただし、幽霊を見るのはお屋敷と敷地内で亡くなった人間に限られるようです。

実は前回4話で、敷地内にある墓地の墓碑銘を複写しているフローラの姿に不憫を感じたダニが優しく「ご両親はきっとフローラの近くでいつも愛して見守ってくれているはずよ」と語りかけるシーンがありました。これに対して「先生がそうしてほしいなら、そういう素振りは出来るわ。でも先生には悪いけど、両親は近くにいないの。遠くで死んじゃったから…。バカみたいと思ったけど、お葬式の時も空っぽの箱を土に埋めたの」とフローラはハッキリ答えています。これらの場面がしっかり裏付けていますよね。

そして第5話。ウィングレイブ夫妻、レベッカのみならず!ピーターもハンナも既に亡くなっていたことが明らかになりました。

レベッカとピーターの間に起こった出来事も見えました。ピーターの本音とレベッカの素顔。「恋は盲目」「危険な恋の賭け」に走ろうとした矢先に悲劇が起きました。

ハンナは自分の世界にオーウェンを伴った。おそらくハンナにとってオーウェンは「道先案内人」「よき理解者」「メンター」「心の拠り所」なのかもしれません。ハンナが気づくまで根気よく何度でもやり直すオーウェンの存在感は、ハンナの死後も強く記憶に残っているのだろう。オーウェンなくしては、ハンナも「あるがままの自分」を受け入れられなかったように思えます。

一方で互いに反目して、先に「顔のない湖の女性幽霊」に連れ去られたピーターの存在もハンナの運命に大きく影響していると言えます。レベッカと2人でアメリカへ渡り理想の人生を夢見たまではピーターもバラ色でしたが、旧館でのシーャロット奥様所有の高価な首飾りを狙ったことがどうやら運の尽き。この古いお屋敷には触れてはいけない領域と品物が確かに存在しているようです。それが「顔のない湖の女性幽霊」の逆鱗に触れたのかもしれません。有無を云わせぬ怪力で、ピーターを連れ去り湖の底に沈めました。

それでもピーターはただでは死なない。ふとしたキッカケでマイルズと入れ替わる術を手に入れる。結果としてマイルズを操りハンナを陥れ、命を奪ったのである。もはや決して逃れられぬ罠と知り、夢も叶わぬ幽霊となってはピーターも屋敷内で復讐を果たすしかないのか…なんとも浮かばれない。

「ここは私の家」と誇りを持ってお屋敷を長年管理してきたハンナ・グロース。「あるがままの自分」を悟り、自分も幽霊だと知って。オーウェンからパリへの夢ある誘いにも、一瞬期待した後に叶わぬ夢と気づくハンナの姿に悲哀を感じてしまった。なんとも切ない場面である。

古いお屋敷にまつわる恐怖はまだまだ奥が深いようだ。

 

最後に(まとめ)

第5話はいかがでしたでしょうか。

家政婦ハンナの「過去と今」を行きつ戻りつしながらの展開となりました。一つ気になったのが、礼拝堂にてハンナは片時もロウソクの火を絶やさないように見えます。さてロウソクの火は幾つだろうかと。ウィングレイブ夫妻にレベッカを足して3つ。しかし再び第1話・第3話を見返すと、ロウソクの火は4つです。今回シーャロット奥様がハンナの(元夫)サムを弔うような場面があったのでプラス1なのか?ハンナ自身が亡くなっていたのでプラス1だろうか?まさかのピーターへ…は考えにくい。あなたはどう思いますか?

さらにマイルズ・フローラの両親ドミニク・シーャロット夫妻が登場しましたが、チラ見せだけで詳細は何も分かりません。夫妻の「いきさつ」を深掘りするエピソードは出てくるのか、期待します。

レベッカとピーター、「顔のない湖の女性幽霊」のこともまだまだ序章にすぎない印象です。今後の展開もますます楽しみですね。

それではまた次回第6話でお会いしましょう。

コメント

  1. […] […]

タイトルとURLをコピーしました