「はなちゃんのみそ汁」ってどんな映画?
「はなちゃんのみそ汁」という映画をご存じですか?33歳という若さで亡くなった安武千恵 さんとご家族との闘病生活を綴ったブログが話題となり、書籍化やドラマ化やされ、ついに広末涼子さんを迎えて映画化されました。癌が全身に転移して余命僅かでも、自分がいなくなっても困らないように愛する夫と娘の健康のため、娘に味噌汁を作ることを教える母の想いを描いた作品です。
「はなちゃんのみそ汁」のあらすじ
西日本新聞の新聞記者として勤める安武信吾(滝藤賢一)は、ある日音大生の千恵(広末涼子)と出会い、恋人同士となります。二人は結婚も考えるほど幸せな生活を続けていましたが、信吾が千恵の胸に硬いしこりのような物を発見し、検査を受けた千恵の体には乳がんが発見されます。信吾と千恵は治療を開始し、共に生きていこうと誓い結婚を決意します。千恵は左乳房を摘出し、抗がん剤を使用した治療が始まります。抗がん剤の副作用で千恵は苦しい日々を送りますが、治療は成功し二人に穏やかな生活が戻ります。その後千恵の妊娠が発覚し、信吾も周囲の人々も喜びますが、がんの再発のリスクが高まるため千恵は悩みます。しかし信吾の落胆する様子や、父(平泉成)からの「死ぬ気で産め」という言葉に背中を押され、千恵が出産することによって同じ病気で苦しむ人たちの希望になるという主治医からの後押しもあり、千恵は出産を決意し、娘の「はな」を出産します。
しかし幸せな生活は長くは続かず、千恵の左肺にがんが転移していることが判明します。以前抗がん剤治療の副作用でツライ思いをした千恵は、再び抗がん剤での治療を拒否し、信吾は先輩からの紹介で自然治療で治してくれる民間療法の先生の元に、毎日車で2時間かけて千恵を連れて行きました。その他にも味噌汁と玄米中心の生活に変え、体を整えて自然治癒力を高めることに専念し、病院でもホルモン療法を受けた結果、1年後には千恵のがんは消えていました。
それから家族は穏やかに過ごし、娘のはなも成長し4歳になった2007年。定期健診を怠っていた千恵のがんは再発し、全身に転移していました。千恵は拒否し続けていた抗がん剤治療を再開し、「早寝早起き玄米生活」というブログを立ち上げ、前向きに治療に取り組んでいました。そして千恵は、はなの4歳の誕生日にエプロンと包丁をプレゼントし、はなに味噌汁作りを教えます。
「はなちゃんのみそ汁」のキャスト
・安武 千恵(広末涼子)
福岡教育大学の声楽科を卒業後、小学校で音楽教諭として勤務していましたが、乳がんが見つかり闘病生活へ入ります。乳がんを克服後に、一人娘「はな」を出産し、再びがんが再発。2007年には全身への転移が見つかります。余命僅かと知った千恵は、はなに味噌汁つくりを教え、2008年7月に他界してしまいます。
・安武信吾(滝藤賢一)
西日本新聞社の記者を務める傍ら、妻の千恵の闘病を支え、幼いはなの面倒を見ています。
・安武はな(赤松えなみ)
安武家の一人娘。4歳から母に味噌汁作りを教えて貰い、5歳から毎日の味噌汁を作る担当に任命されます。
「はなちゃんのみそ汁」の感想・まとめ
この作品の凄いところは、千恵さん役の広末涼子さんと、信吾役の滝藤賢一さんの軽快な面白さです。方言で話す広末涼子さんがまた可愛らしく、滝藤賢一さんもその都度オーバーリアクションでついつい吹き出してしまうシーンが満載です。特に千恵さんのお父さん役の平泉成さんとのやり取りが面白く、何度観ても笑ってしまいます。
最終的には千恵さんは亡くなってしまうという悲しい結末は覆りませんが、それでも夫と娘のために精一杯生き、自分がいなくなっても愛する娘と夫が病気になって困らないように、千恵さんは はなちゃんに鰹節で出汁を取るところから味噌汁の作り方を教え、玄米を主食としたり、規則正しい生活がいかに体に良い影響を及ぼすのかを教えます。千恵さんはがんが全身に転移しても「早寝早起き玄米生活」というブログを立ち上げ、同じく病気に苦しんでいる人たちへ勇気や希望を与えられるように前向きに過ごしていました。自分がいつ同じように病気になってしまうかは誰にも分かりませんが、千恵さんとご家族が前向きに生きる姿は多くの方に勇気を与えてくれる作品ですので、ぜひご覧になってください。
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