映画『ヘロイン×ヒロイン』のあらすじ・キャスト・感想(評価)・まとめ

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 薬物過剰摂取の中心地とも言われているウエストバージニア州ハンティントンで、薬物汚染問題から人々を守ろうとする3人の女性を追った短編ドキュメンタリー映画です。

 第90回アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞にも、ノミネートされた作品。

 映画『ヘロイン×ヒロイン』のあらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。

映画『ヘロイン×ヒロイン』概要

配信開始:2017年9月12日

上映時間:39分

 

原題…Heroin(e)

 

【スタッフ】

監督…エイレン・マクミリオン・シェルドン

配給…Netflix

映画『ヘロイン×ヒロイン』あらすじ

 人口の10%が薬物中毒者、医療費が年間1億ドル(日本円で約10億円)もかかっているというウエストバージニア州ハンティントンでは、薬物過剰摂取による死亡率が全国平均の10倍と、その数は年々増加している状況にあります。

 ここはブルーカラーの州で肉体労働を仕事とする人が多く、怪我をして処方薬をもらい薬が無くなるとヘロインに走ってしまうという悪循環が、こうした悲劇を生んでいるのです。まともな教育を受けていないことも原因のひとつ。これはあらゆる世代で起こっていました。

 そんなハンティントンにある消防署で働く女性消防士ジャン・レイダーは、この問題に毎日向き合い過剰摂取者が倒れたという通報を聞くと、一目散にそこへ行って人々を救います。

 ヘロインなどの麻薬性鎮痛剤に効果的なナロキシンを投与すると、過剰摂取し倒れた人を救うことができる簡単な緊急キットが保険局からを配布され、ジャン・レイダーもそれを中毒者に1箱ずつ渡していきました。しかし心配は尽きません。

 二人目の女性、パトリシア・ケラー判事は薬物過剰摂取者の治療チームの判断をもとに、薬物中毒者を回復プログラムに参加させるか、刑務所に入れるか判決を下しています。

 三人目ネシャ・フリーマンは薬物依存になっている娼婦たちを救う奉仕活動を行い、毎週水曜日に食料の入った袋を彼女たちに渡して、リハビリ施設に入ることを勧めています。

 彼女たちの思うように取り組みは進まないものの、決して諦めることなく対象者と心と心で繋がりながら、活動を止めることなくまっすぐに立ち向かっていくのです。

 三人は互いに連携し合い、人を助け街を守ろうと今日も活動を続けていくのでした。

映画『ヘロイン×ヒロイン』キャスト紹介

ジャン・レイダー

 ハンティントン消防署の所長です。作品の中では最初は副所長でしたが、彼女の仕事ぶりが評価され初の女性署長になりました。

 

パトリシア・ケラー

 薬物専門裁判所の判事です。

 

ネシャ・フリーマン

 薬物依存になっている娼婦たちを救う、奉仕活動をしています。

映画『ヘロイン×ヒロイン』感想(評価)

 ドキュメンタリー映画ではいつも知らなかった現実を目の当たりにさせられますが、ただこんなことがありますよではなく、その問題に対して強くたくましく闘い向かっていく、女性たちの勇敢さが描かれており心打たれました。

 何度か彼女たちの言葉の中に「focus(焦点)」というのが出てきましたが、どうにもならない根深く解決の難しい問題だからこそ、それをブラさず正しくとらえる必要性と大切さを伝えていたように感じました。彼女たちはとても賢いです。

 どうしても客観的に問題や対象を捉えて自己満に終わり、理解しやすい方向に都合よく論点を流していってしまいがちな意見も、きちんと過剰摂取者の立場から、彼らの主観に立って解釈し対策を決めていくジャンの主張と決断は、とても素晴らしくかっこよく映りました。

 彼女たちの取り組みには根底に深い愛があります。

 また若い消防士たちが、自分たちと同じ若者が過剰摂取で亡くなる姿を見て、「世の中の闇を見て、人生への態度がひねくれてくる」と言ったのはとても悲しかったです。

 つらいときこそ悲観的な意見にとらわれ問題から逃げず、現実に起きている問題のフォーカスに真っ向から攻めていく。現実逃避をしないで、今できる最善を改良しながらやり続けるという賢く強く闘う信念の持ち方を、彼女たちから教えてもらったような気がしました。

映画『ヘロイン×ヒロイン』まとめ

 こんな街があることをこの作品を通して初めて知りました。そこで女性たちが必死になって人々や街を守ろうとしている。

 どんなふうになっても決して諦めず、どこまでも信じることを貫くことの大事さに直面させられた作品でした。

 最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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