映画『男はつらいよ 私の寅さん』あらすじ・キャスト・感想(評価)・まとめ

映画

 下町人情喜劇『男はつらいよ』シリーズ第12作。

 寅次郎が旅に出、それを「とらや」の人々が待っているといういつもの設定とは真逆のスタートが新鮮なストーリー展開の作品です。

 映画『男はつらいよ 私の寅さん』のあらすじ・キャスト・感想(評価)をまとめてみました。

映画『男はつらいよ 私の寅さん』概要

公開日:1973年12月26日

上映時間:107分

配給:松竹

観客動員数:241万9000人 (前作は239万5000人) …シリーズ歴代1位

配給収入:10億4000万円 (前作は9億1000万円)

 

ロケ地…阿蘇(熊本県) 、別府(大分県)、天草(熊本県)

 

【スタッフ】

監督・原作…山田洋次

脚本…山田洋次、朝間義隆

撮影…高羽哲夫

音楽…山本直純

美術…佐藤公信

映画『男はつらいよ 私の寅さん』あらすじ

 寅次郎が旅先から帰ってくると、翌日からとらやのみんなは九州旅行に行くことに。しかも汽車ではなく飛行機で行くという豪華旅行に5日間も行くというので、寅次郎は急に寂しくなり怒って拗ねてしまいます。

 世話になったおいちゃんやおばちゃんに贈る旅行として、さくらが計画したことに加え、本来ならば寅次郎とふたりでもっと早くこの計画をすべきだったと寅次郎に話し、さくらは寅次郎を説得しました。

 当日を迎え近所の人たちからの餞別を受けながら旅立つ、おいちゃんにおばちゃん、そしてさくら家族。

 夜には毎日電話をかけるから寅次郎に留守を頼み出かける一行でしたが、電話をするたび寂しがって長電話やケンカ腰になる寅次郎が気になり、5人は早くに旅行を切り上げ柴又に帰ってくるのでした。

 ご飯とお風呂の支度をばっちりとしてみんなを出迎えた寅次郎。みんなは驚きながらもそれからしばらく平和な日々が続いていました。

 するとそこへ小学校時代の幼馴染で柳病院の御曹司・柳文彦がとらやへやってきます。

 今は放送作家をしているという柳。再会するとすぐに寅次郎と昔のように盛り上がり、柳の家で飲みなおすことになりました。そこに一枚の描きかけの絵が。寅次郎は柳と話しながらそれを観ているうちに、その絵を汚してしまいます。

 そこへ帰ってきた柳の妹・りつ子。寅次郎が絵を汚したのを見て激怒し、寅のことを「熊」と呼び間違えながら、寅次郎とりつ子は大喧嘩という出会い方をするのです。

映画『男はつらいよ 私の寅さん』キャスト紹介

車寅次郎…渥美清

 14歳の時に父親(今は他界している)とケンカ別れして家を出てから、20年間故郷に帰らずに旅に出ていましたが、第1作目で帰ってきて以来、旅に出たり帰って来たりを頻繁に繰り返すようになりました。異母兄弟の妹さくらがいます。家業はテキヤ。

 

さくら…倍賞千恵子

 寅次郎の異母兄弟です。博と息子の満男と3人で暮らしています。

 

柳りつ子…岸恵子 《マドンナ》

 柳武彦の妹で、売れない画家です。最初、寅次郎のことを「寅さん」ではなく「熊さん」と間違えて呼んでしまいます。

 

御前様…笠智衆

 柴又帝釈天のご住職です。

 

車竜造(おいちゃん)…松村達雄

 寅次郎の父親の弟です。寅次郎とさくらにとっては、叔父にあたります。さくらの育ての親。和菓子「とらや」の店主です。

 

車つね(おばちゃん)…三崎千恵子

 おいちゃんの奥さんです。寅次郎とさくらにとっては叔母にあたります。さくらの育ての親。和菓子「とらや」をおじちゃんと一緒に切り盛りしています。

 

諏訪博…前田吟

 共栄印刷の職工のひとりです。さくらと息子・満男の3人暮らしです。実家は岡山県。

 

小倉梅太郎(共栄印刷社長・タコ社長)太宰久雄

 中小企業の社長の大変さをとらやに来てはこぼしています。子だくさんの父親でもあります。

 

諏訪満男…中村はやと

 博とさくらの一人息子です。

 

源公…佐藤蛾次郎

 帝釈天の寺男をしています。

 

柳文彦…前田武彦《ゲスト》

 寅次郎の小学校の時の幼馴染で、あだ名は「デベソ」です。柳病院の長男で御曹司だが、医学部に受からなかったので放送作家となりテレビドラマなどの仕事をしています。バツイチの売れない放送作家です。父の死後に家は没落しました。

 

一条…津川雅彦《ゲスト》

 りつ子にプロポーズしているキザな画商(画廊経営者)です。

映画『男はつらいよ 私の寅さん』感想(評価)

 いつもとは違う設定により、寅次郎の家族思いの一面がとらやでも観ることができて嬉しかったです。

 時々旅先で見せる寅次郎の優しさがこうやって家族の前で出されると、さくらを始めおいちゃんおばちゃんにとって、とても癒され心に残る出来事として刻まれていくことが温かく、家族の幸せを感じます。

 またとらやの人たちが旅行中の時、タコ社長は寅次郎をしっかりと支えていたと思います。旅行からみんなが帰ってきた時の寅次郎の出迎えは、あえてそっぽをむいて知らない顔をしているという、昭和の男が大好きな者には実にたまらないシーンでした。

 寅次郎が弱っているりつ子を訪ねるシーンでは、りつ子にはちゃんと弱っていてほしかったですね。寅次郎のお芝居に対しりつ子は本当に元気そうで、なんだかもったいなかったように感じました。それにしてもりつ子演じる岸恵子さんは美しいお顔立ちですね。

 柳武彦と寅次郎のシーンは令和の感覚に近い今風のお芝居をしていたように見え、令和に生きる者としてはとてもナチュラルに感じました。当時はどう映っていたかはわかりませんが、気の合う親友らしく見えていました。

映画『男はつらいよ 私の寅さん』まとめ

 寅次郎の家族愛がその想いだけではなく、直接的な行動としてみるとこができドキッとした一作でした。

 マドンナ岸恵子さんの美しさも堪能できる作品になっています。

 最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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