「嘘を愛する女」あらすじ
ゆったりと時が流れる中で進んでいくミステリアスなラブストーリーです。
都内で飲料品メーカーに勤めている主人公の由加利は、東日本大震災の日帰宅困難者の人混みに気分を悪くしてしまい駅でしゃがみこんでしまいます。
そこに「大丈夫ですか」と優しく声をかけてきてくれたのが小出桔平という男の人でした。
気分が回復してから少しして震災の影響で交通機関は使用することができないので歩いて帰るしかありませんでした。
桔平は自分のスニーカーを脱いで由加利に渡します。
由加利のヒール姿を見て貸してあげようと思ったのです。
二人はその日別れ際に由加利は桔平に名前を聞きます。
桔平は「小出です」とだけ答えました。
その後偶然にも再会をはたした二人はそのまま恋に落ちます。
そして由加利の家で同棲生活が始まりました。
桔平は研修医であったため収入が少ないことを由加利に話し、桔平は由加利の家に住まわあせてもらい桔平はその代わりに家事や掃除をしてくれることになりました。
同棲して5年が経った時です。
九州から由加利の母親がこちらへ遊びに来るので桔平にも一緒に会ってほしい、と頼みます。
一度断ろうとするも由加利の結婚へ対する圧に負けて約束をしました。
約束の当日、母親と二人で桔平のことを待ちますが一向にやってきません。
なにかあったのではないかと不安になり慌てて家に帰りますがそこにも桔平の姿はありません。
チャイムが鳴りドアを開けるとそこには警察が来ていました。
話を聞くと桔平はくも膜下出血になり公園で倒れていて今も病院で意識不明であるということでした。
病院に駆け付けた由加利に対して警察の人から桔平の免許証が偽造されたものであることを聞かされました。
名前も嘘だったし、住民票もないことをここで知るのです。
意識が戻るかどうかという瀬戸際の彼を目の前に由加利は訳が分からなくなってしまいます。
桔平が本当に存在しない人物であるのか、由加利の前にいた桔平という人物は本当は誰だったのか。
「嘘を愛する女」キャスト紹介
長澤まさみ(川原由加利役)
1987年6月3日
東宝芸能所属
この映画では桔平の正体を探るヒロインを演じる
高橋一生(小出桔平役)
1980年12月9日
舞プロモーション所属
この映画では正体不明の由加利の彼氏を演じる
「嘘を愛する女」感想
映画の序盤は本当にただの仲良いどこにでもいるカップルでした。
時の流れもゆったりとしていてどこか温かく他人の同棲生活をのぞき見しているような照れくささすら感じました。
二人の自然な演技がよりリアルさを出していて映画を見ているというよりはある一般人カップルの生活を垣間見ているようでした。
意識不明になってすぐに警察から免許証が偽造であったことを伝えられるシーンは、由加利と同様にとても驚きました。
あんなに幸せそうにしていた彼にまったく嘘がみられなかったからです。
幸せな二人をみてきたからこそなぜかがっかりしている私もいました。
桔平が本当は誰なのかを必死で探す由加利の姿には感動とともにとても共感しました。
どんな人でも好きな人が嘘で固められた人だと分かっても真実をつきとめたい、と思うからです。
桔平の本当の人生は想像以上に悲しいものでした。
ずっと桔平は何者なんだと責めていた自分が恥ずかしくなったくらいです。
結末は意外なものでしたがどんどん桔平という人物が気になり最後のシーンを迎えてしまうような感じでした。
この二人以外の登場人物もかなり個性の強いキャラクターになっているので注目です。
「嘘を愛する女」評価
タイトルだけでもとても興味をひくようなものになっていますよね。
嘘とはどんな嘘なのか、どうして嘘をつく必要があったのか、、と沢山想像することができます。
そして、この映画はこの現代社会にぴったりの映画です。
SNSで出会い付き合った二人が居たのなら本当にその人は事実を言っているのか、本当はどんな人なのかきちんと知るまでには時間がかかるものです。
相手の本性を知らずに同棲しているカップルがこの世界にどれだけいるのでしょうか。
そう考えるとこの映画はとても感慨深い映画となります。
5年も同棲生活をしていて全てが嘘だったなんて自分自身に置き換えたらとんでもないことですよね。
想像しただけで恐ろしいです。
美男美女のいちゃいちゃ同棲生活を見ることができるのもこの映画ならではです。
登場する俳優陣の心情の演技がとてもうまくて心にスッと入ってくるような感覚でした。
探偵の雰囲気も見どころの一つです。
ただ結末に至るまでの時間が結構かかるので好き嫌いが少し分かれる映画なのかもしれません。
桔平の真実を探るために一生懸命に探しますが全然情報を掴むことができなくて・・・
序盤で二人のことにぞっこんになった人は最後まで気になってしまうと思います。
そしてこれは実際にあった事件を元に作れた映画だということをしり大変驚きました。
最後に
友人などから聞く出会い方にSNSが多く見受けられます。
見ず知らずの人と知り合い愛をはぐくんでいくことは悪いことではありませんが時に不安になることでしょう。
そんな世の中になってきたこの世界で誰しもが興味をわく映画なのではないでしょうか。
この不思議な体験をぜひ映画の中で味わってみてください。
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