何不自由なく真っ当に生きていたひとりの主婦が起こした、巨額の横領事件。
最も美しい横領犯である彼女が、本当に求めていたものは一体何だったのか。
転落するヒロインに思いがけずも魅せられてしまう、衝撃のヒューマンサスペンスです。
映画『紙の月』のあらすじ、キャスト、感想(評価)をまとめてみました。
(トップ画像公式ページより)
映画『紙の月』概要
公開日:2014年10月25日
上映時間:126分
【スタッフ】
監督:吉田大八
原作:角田光代
映画『紙の月』あらすじ
1994年、結婚後に専業主婦になった梨花は、さまざまな理由から銀行の契約社員として外回りを始めます。丁寧な仕事ぶりに顧客からも上司からも信頼され、大口の顧客も獲得するほどに。
しかし家では夫が自分が本当にやりたいことの話をまともに聞いてくれないなど、いつからか空虚さを感じるようになりました。
ある日梨花が顧客のところへ行くと、その顧客の孫・大学生の光太と出会います。惹かれ合うふたりはすぐに関係を持つようになりました。
大学に行く費用を祖父が出してくれないからサラ金から借金したという光太。それを聞いた梨花は、光太にお金を貸すのでした。そのお金はなんと顧客の預金。
そのあとも彼女は他人の預金に手を付け始め、最初は1万円を借りただけだったものが、額は次第に巨大になり、彼女の金銭感覚はどんどん狂っていくのでした。
映画『紙の月』キャスト紹介
【キャスト】
梅澤梨花…宮沢りえ
裕福な家庭に生まれ、結婚後家庭に一旦は入って専業主婦をするも、銀行のパートを始め契約社員になって社会復帰しました。
平林光太…池松壮亮
孝三の孫で、大学生です。
相川恵子…大島優子
梨花の同僚です。
井上佑司…近藤芳正
銀行の管理者です。
平林孝三…石橋蓮司
里香が担当することになった大口の顧客です。
隅より子…小林聡美
梨花の先輩です。
映画『紙の月』感想(評価)
梨花の寂し気な心情がとても伝わってきて、今までの真っ白い人生を意思を持って塗り替えていくように横領を行う姿は、鮮やかですらありました。
何かに翻弄させられているのではなく、自らの意思でわかってやっているところが、梨花を演じる宮沢りえさんの個性でもあると感じます。
また光太との逃避行では、金銭感覚が狂っていく時のダメなことをとことんまでやり続けるどうしようもない不毛感があり、リアリティがありました。この時の感覚こそが〈紙の月〉。
実体のないものを扱い、それに踊らされる人間の姿が描かれていました。
おとなしく生きてきた梨花の本性がここで初めて出たのでしょう。おもしろい作品でした。
映画『紙の月』まとめ
毎日多額の大金を扱うことで、麻痺し見えなくなってしまう大切なもの。ただの紙切れなのにとても不思議なお金。
それを見つめなおす、とても面白い映画でした。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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